夏休みが開けて、毛利先輩が転入してきて、
それから、部活はまた忙しくなった。
1学期は大会のために練習がすごかったけど、2学期になったら、いろんな学校との練習試合ですっごく忙しいよ。
毎週いろんな学校に行ったり、うちの学校に来たり。
他の学校見れるの楽しいけどね。
そして今日は!
「よく来たな、俺様がお前らの相手をしてやるから、ありがたく思えよ!」
氷帝との練習試合だよ!!
(準備があるから、学校集合だったけど・・・)
(帰りは、氷帝から家が近いからこのまま帰っていいって)
(ラッキー!)
「さおりーーーーー!!!」
「ジロちゃん!!!!」
私がジロちゃんとハグしようと、手を広げたら、
スッ
「やぁ、きみは・・・芥川くんだっけ?」
「え!1年の俺のこと知ってるの!?スゲー!」
私の前に幸村がスッと現れた。
どうしたんだろうね?
「さおり、ドリンク用意してくれるかな?喉渇いちゃって」
「うん、わかったよ!」
幸村にそう言われたから、ドリンクを作りはじめる私。
氷帝は何回か来てるし、勝手がわかるし、他の学校に比べたら気楽だなぁ・・・
そんなことを考えながらドリンクを作ってた。
ドリンクを作って戻ってくると、早速みんなアップしてるところだった。
「はい、ドリンク作ってきたよー!」
「さおり、ありがとう」
「まえさん、残暑が厳しいですから、日蔭で休んでいてくださいね」
「大丈夫だよー!」
「いや、今日はなかなか暑いから、マネージャーの仕事はみんなに手伝ってもらって、ゆっくりとしていたほうがいいだろう」
「おう、俺やるから任せておけよ」
「大丈夫だってばー!」
(オモローwww)
いつも優しいけど、今日はなんだか、特に優しい気がするな・・・
みんなどうしたんだろう・・・?
そう思っていたら、
「おーーーい!!さおちゃーーーん!!!」
(あ!きた!)
まぁちゃんがやってきた!!
今日氷帝で合同練習だよって言ったら来るって言ってたんだ!
私は、まぁちゃんに近づいて行った。
「やぁ、きみよく来たね!」
「うん、来たよ。きみがどんな扱いを受けているかチェックしないと!」
「だから私大丈夫だってばー」
「よお、来たな」
「まなみー」
「マジで来たw」
「ようやく俺様の活躍を見に来たのか」
「ちげーわ!!!さおちゃん見に来たんだよ!!」
ぞろぞろとまぁちゃんの周りに氷帝のみんなが集まる。
まぁちゃんは普段、跡部くんに試合に誘われるけど、一度も見たことがないみたい。
だから、今日は本当に珍しい。
跡部くん嬉しそうw
少しだけ氷帝のみんながワイワイやってるところにいたら、
「さおり」
幸村くんが、声をかけてきた。
あれ?後ろにみんないる。
「その子が、いつもさおりが話してる妹かい?」
「あ、そうなの。妹のまぁちゃんだよ」
「オッスおらまなみ、さおちゃん泣かしたら許さないからな」
「泣かす?俺たちが?」
「そんなことはありえんな」
「100%の確率でな」
「心配すんなって!ぜってーありえないから泣かすとか!」
「プリッ」
「女性を泣かすなんて紳士の風上にもおけませんね」
「え、なにこの集団、めっちゃキャラ濃くね?しかもなんかいろいろと理解した」
「プププ大丈夫やで、こいつら、めっちゃお姉さん大事にしとるで」
「おお、関西弁!」
「せやで、大阪から転校してきてん」
「え、そうなんだ!」
「まぁちゃん・・・その人先輩だからさぁ・・・」
「でも私の先輩ではないから」
「オモローwwwせやな!そのまま普通に話してや!」
「うん」
まぁちゃん毛利先輩に普通に話すからドキドキしたよ~
けど、なんか楽しそうだから大丈夫かな。
それから、氷帝と練習試合。
練習試合中、まぁちゃんはなぜか立海側のベンチに接待されていた。
柳生くんが、まぁちゃんがベンチに座る前にハンカチを敷いたのがツボだったのか「めっちゃ!紳士!!うける!!」と爆笑して、立海のみんなとも打ち解けてくれたみたい。よかった。
でも、なんだか氷帝の皆さんの・・・
機嫌が・・・
悪いような・・・
気が?する?
(よくわかんないけど)
(なんか、すごいこっち睨んでる気がする)
「まなみ!こっちに来い!お前氷帝だろうが!!」
「なんでそっちにいんだよ!」
「お前何考えてんだよ!」
「ZZZ」
「氷帝だから氷帝応援するとかしらねーしwwwアタシはさおちゃんの傍にいたいの!あとなんか立海のみんな優しすぎてやばい」
「うん、こっちでゆっくりしていくといいよ」
「俺今日クッキー作ってきたんだった、食う?」
「うひょー!食べる食べる!」
「では、昼食後用に持って来ていた紅茶を入れましょう」
「やったー!立海さいこーーーー!!」
「まぁちゃん・・・」
もう、みんなまぁちゃんに甘いなぁ(←普段自分が甘やかされてるのがわかってない)
そう思っていたら、
ブッブー
(ん?)
1台のバスが到着した。
「ん?何だい?あのバス?」
「フッ、俺様がスペシャルなゲストを用意しといたぜ!」
「ゲスト?」
私たちは不思議に思いながらバスのほうを見ていて・・・
バスから出てきたのは・・・
「おう、毛利、久々やな」
「ヒラゼン!?」
黄色と黄緑のユニフォームを来た学校で・・・
(あれ?)
(見たことあるぞ?)
そう思っていると、
(!!??)
バスから白石くんが下りてきたのだった。
(わぁ!白石くんだ!!)
「白石くん!!」
私は白石くんに声をかけて近づくと、白石くんはこっちに気が付いて驚いた顔をしていた。
「あれぇ!?前さん!?どないしてん!?ここ氷帝やで!?」
「うん、今日氷帝で合同練習だったんだけど・・・」
「あ、そうなん!?うちも、跡部クンから招待されて来たんやで!」
「そうなんだ!」
「ご丁寧に飛行機とバスまで用意してくれてなぁ」
「すごいね!跡部くんならやりそうだね」
「なぁ・・・いきなり空港でatobeって書かれた飛行機に乗せられた時は驚いたで・・・」
「え、すごいね~私も乗ってみたいよ」
私と白石くんが、そんな風に話をしていると、
「やぁ、はじめまして」
幸村がやってきて、笑顔で私と白石くんの間に入った。
「きみが白石くん?」
「せやで!きみは幸村クンやろ!?今年の大会見てたわ~!めっちゃすごかったな!優勝おめでとう!」
「ああ、ありがとう」
「俺も幸村クンみたいに、早く試合で活躍できるように頑張るわ!」
「うん、お互い1年だし、これから頑張っていこう」
そんな風に話をしていたら、
「おい、白石挨拶するから、はよ来いや!」
白石くんが何だか少し怖そうな先輩に呼ばれた。
「あ、すまん、ほなまたあとで!」
そう言って、白石くんは走って行ってしまった。
「俺たちもいこうか、そろそろ休憩も終わりだ」
「うん、そうだね」
「・・・悪いやつではなさそうかな」
「ん?何か言った?」
「ううん、何でもない。さ、いこうか」
こうして、四天宝寺も氷帝にやってきて、改めて3校での合同練習が始まった。