第1松 ~長女~

 

6人の中で誰が一番よく遊ぶのかと言われたら、間違いなく”六男”と答えるだろう。

六男のトド松お兄ちゃんは、6人の中で一番女子力が高い。

オシャレが大好きだし、女の子に人気のアイテムのチェックもかかさない。

私たちが買ってきた雑誌も一緒に見て「これが可愛い」「あれが似合う」なんて女子みたいな会話もしてくれるし、一緒に買い物に行ってお洋服を選んでくれたりもする。

(ボーダーは太って見えるからやめなよ!といつもアドバイスしてくれるのにボーダーが好きだから買っちゃう私・・・)

トド松お兄ちゃんは一緒にお出かけをすることも多いし、マニュキュアを塗ってくれたりもするし、可愛い壁紙を送ってくれたりもするし、私たちのこといつも「好きだよ♥」って言ってくれるから私はトド松お兄ちゃんが大好きだ。

ニートだけど。

 

6人の中で誰が一番楽しいのかと言われたら、間違いなく”五男”と答えるだろう。

五男の十四松お兄ちゃんは、6人の中で一番自由奔放で発想がぶっ飛んでいる。

昔はもう少しおとなしかった気がするんだけど、今では最高に明るくて楽しくて、その純粋さには私たち2人で「天使」と呼んでいるほど。

普段はお兄ちゃんだけどお兄ちゃんっぽくなくて、手のかかる弟のような存在なんだけど、いざと言う時に言う言葉は的を得ていて、誰よりも観察力あるからそのギャップがたまらない。

(こないだ真冬なのに川で泳いでいるのを目撃した時は本当にびっくりしたけど。泳ぐために常に海パンなのだろうか・・・?)

野球が大好きで野球の練習は熱心にしていて、ピュアでとっても優しくて、よくぎゅーってしてくれるから私は十四松お兄ちゃんが大好きだ。

ニートだけど。

 

6人の中で誰が一番目が離せないかと言われたら、間違いなく”四男”と答えるだろう。

四男の一松お兄ちゃんは、6人の中で一番ネガティブで皮肉しか言わない。たまに何を考えているのかわからない時があるし、なんだか怖いと感じることもある。

だけど、猫にはものすごく優しくて、猫と一緒に遊んでいる時の一松お兄ちゃんはすごく穏やかな顔をしている。

(裸でいるのも抵抗がないらしく、たまに家でパンイチでウロウロしている時は正直焦る)

でも、ネガティブな私のことを一番理解してくれるのも一松お兄ちゃんだ。落ち込んでいるとすぐに気付いて何も言わずに傍にいてくれるから私は一松お兄ちゃんが大好きだ。

ニートだけど。

 

6人の中で誰が一番話が合うのかと聞かれたら、間違いなく”三男”と答えるだろう。

三男のチョロ松お兄ちゃんは、6人の中で一番共通点が多い。

真面目なところも、変なところで潔癖症なところも、梅酒が好きなところも、アイドルが好きなところも、異性が絡むとポンコツになるところも・・・

(ちなみにキレると口が悪くなるところもそっくりらしい、えへっ)

だから話も合うし、話していて理解できるところが多い。私の趣味(イケメン)も理解してくれるし、私もにゃーちゃんのライブに付き合ったりするので、その代わりにイケメンの舞台に付き合ってくれることもある。

それに、他の兄弟にはツッコミ役なんだけど、私たち妹にはめちゃくちゃ優しいので私はチョロ松お兄ちゃんが好きだ。

ニートだけど。

 

6人の中で誰が一番優しいのかと言われれば、間違いなく”次男”と答えるだろう。

次男のカラ松お兄ちゃんは、6人の中で一番「イタイ」。なんだか格好つけて難しいことばっかり言ってるから、私には何を言っているのかわからない時がある。

兄弟の中でも一番のいじられ役らしく、よくみんなに虐められて涙目になっているけど、それってきっと優しくてあまり怒らないからだろうなって思ってる。

(自分の顔のついたタンクトップを着ていた時は、本当に引いた)

私たちのことをものすごく心配してくれてよく迎えにも来てくれるし、家族のことが大好きでとっても優しい人。何言ってるかわからないイタイところも面白いから私はカラ松お兄ちゃんが大好きだ。

ニートだけど。

 

6人の中で誰が一番頼りになるのかと言われれば、間違いなく”長男”と答えるだろう。

長男のおそ松お兄ちゃんは、6人の中で一番こわい。

正直、私はおそ松お兄ちゃんが苦手だ。

慰めてもらいたい時も突き放した言い方をされる時もあるし、一生ニート宣言をしてパチンコや競馬にばっかり行っている。

いつもヘラヘラしているくせに、大事なところはよくわかっていて、全て見透かされるような気持ちになる。

(何を考えているのかわからなくて、こわい)

だけど、そんな松野家の長男は、ものすごく私たちのことをわかっていて、お兄ちゃんのいう事はいつも正しい。その言葉のとおりにしていると、間違いがないのだ。

本当に困ったときには手を差し伸べてくれるから、私はおそ松お兄ちゃんが大好きだ。

ニートだけど。

 

そして、私の大事な片割れ。大事な妹のまぁちゃん。

彼女はとても要領が良くて、私はおそ松お兄ちゃんと同じような不思議な魅力がある子だなと思う。観察力もすごいし。

十四松お兄ちゃんによく抱っこされて遊んでいたり、カラ松お兄ちゃんを一松お兄ちゃんと一緒にいじめたり、まぁちゃんも6人のお兄ちゃんが大好きなんだと思う。

まぁちゃんとは一番仲が良いし、ずっと一緒だから、とにかく私はまぁちゃんが好きだ。まぁちゃんと双子に生まれてよかった。松代と松造、グッジョブ!

 

 

 

 

「さおちゃーん、入学式遅刻しちゃうよー!」

「うん!もういける!」

「2人ともスーツ可愛い~♥写真とろーよ」

「うん、いいよー!」

「まぁちゃん!時間ないよ!トド松お兄ちゃん帰って来てからにして!」

「本当に兄ちゃんたち行かなくてよかったのか~?今日は休みだから入学式いけるよ!」

「お兄ちゃんたちいつでも休みでしょ!それに女子大生見たいからってわかってるんだから!!!!」

「チッ、ばれたかw」

「ねぇ、野球部ある!?野球部入る!?」

「サークルがあるけど入らないよ・・・十四松お兄ちゃんも大人しくしててね!」

「あ、まなみ、スーツにタグがついてる!」

「わぁ~、チョロ兄切って~」

「ちょっと待ってハサミ持ってくるから!」

「・・・猫缶ないんで帰りに買ってきてもらえますか」

「・・・わかったよ」

「あざーっす」

「ふっ・・・俺のキュートなリトルシスターズ・・・今日というめでたい日にエンジェルが微笑んだようだ、今日の天」

「「じゃあ、行ってきます!」」

「「「「「いってらっしゃい!」」」」」

「え」

 

 

今日は私とまぁちゃんの短大の入学式!

新しい生活に期待をしながら、まぁちゃんと一緒に新しいスーツに身を包んで玄関を出た。

(ドキドキするよ!)

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