「え、結婚?」
「うん!彼氏にプロポーズされて・・・だからごめんねまなみ!」
ルームシェアしていた友達が突然家を出ていくことになった
(部屋借りたばっかりなのに!!)
次の部屋の更新は3年後
それまでは一緒に暮らそうね~なんてのん気に話していた仲のいい友達に裏切られてしまった
引っ越してから1ヶ月
また引っ越しを行うお金は
ない
(あるはずないじゃん!)(敷金礼金、半分こだったとしても!)
(荷物運んだり、新しい家具買ったり、引っ越し費用なんて全然ないよ!!)
だからと言って、東京の真ん中で2DKに一人で暮らすお金もない
(これはまずい)
新しいルームシェアの相手を探さなければいけない!!
私は新しいルームシェア相手を探し始めた・・・
――――――――――
と、言っても簡単に見つかるはずもなく・・・
「あー・・・どうしよう・・・」
仕事の帰り道、トボトボと道を歩く
(とにかくいろんな友達に声をかけたけど、誰も見つけられなかった・・・)
(困った・・・)
「はぁ・・・困った・・・」
プップー
「何が困ったの?」
声をかけてきたのは、
「ジロー!」
家の近くの商店街のクリーニング屋さんの息子であるジローだった
(ちなみに飲み友達)(この商店街が好きでここに住むことに決めたっていうのもある)
「まなみ何してんのー?乗ってく?」
配達の途中なのか、車に乗ったままそう言った
「助かる!!」
「んじゃ、乗って」
「わーい」
「今度の飲み会まなみのおごりで」
「はぁ!?無理!!」
「んじゃ、今週のジャンプ買ってー」
「いいよwww次アタシに読ませてねwww」
「んじゃ、コンビニよるわー」
そうして、ジローはアタシを助手席に乗せてワゴンを走らせた
「で、何困ってたの」
「いや、実はさ、」
「あ、またクビ?」
「違うわ!またってなにさ!」
「いや、だって、前上司とケンカしてやめてたじゃん会社」
「あれはブラック企業だったから!」
「ふーん、じゃあいきなり告白された?」
「違うわ!そんなの気にしないわ!」
「だよね~まなみそんなことで悩まないよね~」
「違うんだって!!そんなことじゃなくて!!」
「あ、わかったー友達結婚するからって家出てったんだろ~」
「・・・・・・」
「え?図星?」
「・・・なぜわかった」
「まなみが悩むならお金のことかと思ってたら当たったC~(笑)」
「いや~もう助けてよ!!来月から2DKの家賃払わないといけなくなる!!!」
「ファイト(笑)」
「ファイトじゃねーし!!」
どうしよー!もうやばいよー!お金ないのにー!
なーんて、そんなことを言いながら、コンビニによって、本当にジャンプを買わされ(別にいいけど)(読んだらもらおうw)
そして、ジローの家のクリーニング屋についた
「え、家まで送ってくんないの?」
「すぐそこじゃん」
「いや、そうだけども、徒歩30秒だけども、普通送るっしょ」
「めんどくさいCー」
「はぁ!?だから彼女いないんだよ!!」
「いないんじゃなくて、作んないんだよ、めんどくせー」
「なんだよもー!ジャンプよこせ!」
「あとで読んだら呼ぶから取りに来てー」
「なんだよ・・・ジローのばか・・・こんなに私が悩んでるというのにのん気なやつだ・・・」
「何悩んでんだよ?」
そう声をかけてきたのは・・・
「ガクト!」
ジローの隣の家の電気屋のガクト
こいつも店から出てきて無駄話・・・
平和だなこの商店街は・・・
「あ、わかった、お前また誰かとケンカしたんだろ?」
「どいつもこいつも!何ですぐにアタシがケンカすると思うの!」
「お前誰かともめてるイメージしかねーわ」
「はぁ!?」
「友達が結婚するからって家出てったんだって~」
「は!?マジ!?こないだ引っ越してきたばっかじゃん!」
「そうなんだよ~・・・どうしよう・・・」
「お前も彼氏作れよwww」
「うるさい!!彼氏なんていらねーよ!!」
「何騒いでんだよ」
今度は、仕事帰りの亮が現れた
(3バカが揃った・・・)
「まなみ、友達に家出てかれたらしーぜ」
「結婚するらC~」
「マジで!?お前どーすんだよこれから!」
「・・・だから困ってんだよ」
「彼氏作れよ」
「みんなして同じこと言うな!3バカ!」
(ホントこいつらときたら!)(どいつもこいつも人を馬鹿にして!)
・・・・・・でも、この気を使わなくていい感じは、めちゃくちゃ楽なんだけどね・・・
「亮一緒に住もうよ」
「無理」
「ほら、いつまでも実家暮らしなんてかっこわるいじゃん」
「俺給料安いから無理」
「公務員のくせになー」
「宍戸せんせ~い」
「うるせーよ」
先生らしからぬ言葉づかいで亮は言った
はぁ・・・とアタシはため息をつく・・・
「ホント困った・・・」
「俺一緒に暮らしてもE~よ!」
「絶対やだ」
「ジローと住むやつは勇者だわ」
「俺まなみの手料理けっこう好きだし」
「いやだよ!あんた寝てばっかりじゃん!」
「家賃だけ払うから3食昼寝付きで~」
「割りに合わないわ!」
「他に一緒に住む奴いないのかよ?」
「もう、とにかく会う人全員に声かけたけど無理だね」
「お前嫌われてんじゃないの?」
「ガクト死刑」
「返り討ちにしてやる」
「けど、お前マジでこれからどうすんだよ、1DKとかに引っ越し直すのか?」
「そんなお金ないよ・・・こないだの引っ越しでかなり使ったし・・・」
「引っ越し祝いでおごらされたくらいだからな俺ら」
「お返しの引っ越し蕎麦にどん兵衛配ってね~www」
「どん兵衛はねぇわ」
「マジで金ないんだって!!!」
あーもうどうしよ~
アタシがそう頭を抱えた時、
「あ、そういや、ルームシェア考えてる奴俺知ってるかも」
そうガクトが言った
「え!?マジで!?」
「んー、けどなー」
「何!?どんな子!?もうこの際だから文句言わないわ!」
「・・・マジで文句いわねぇ?」
「言わない!!家賃ちゃんと払ってくれて、不潔じゃなくて、性格悪くないなら我慢するから!!お互い干渉しないってことで!!」
「いや、お前の言う条件なら余裕でクリアしてんだけどさ」
「お願いします!!お願いしますから、ちょっと紹介して!!」
「・・・んじゃ、連絡とるだけとってみるけど・・・」
「え、ガクトお前それって・・・」
「いや、アイツなんだけどさ」
「いや、まずいだろアイツは」
「けどなー」
「え?なんで?亮も知ってる人?」
「ああ、まぁ知ってるっちゃー知ってる」
「俺も知ってるよ~」
「え?ジローも?」
「うん、学生の頃からの知り合い~」
「え!?マジで!?まさか跡部とか!?」
「いや、それはねーから安心しろ」
「・・・なんだ、家賃全部払ってもらえるチャンスかと思ったのに」
「がっかりしてるwww」
「いや、跡部ではねーけどさ」
「なにさ?どんな子?」
「どんな子っていうか・・・」
「うん」
「男」
「え?」
「男、そいつ」
(男・・・)(おとこ・・・?)
おとこって言いました?今・・・
(んーけど、)(男女のルームシェアも全然多いし)
(簡単に男に負ける気しないしなwww)
「うん、いける!」
「なにが!?」
「いけるわ、大丈夫だわ!」
「いや、男だぞ!?」
「うん、でも男女のルームシェアも流行ってんじゃん」
「そうだけどよ、」
「でも、あいつなら大丈夫じゃね?」
「うん、大丈夫そう~」
「あー、でもなー、」
「もう、亮は頭硬いよ!ただのルームシェアだし、ホントありがちだし!」
「けど、」
「ってか、そんな心配するほど女好きなの?」
「「「全然」」」
「むしろヘタレ」
「じゃ大丈夫だwww簡単にやられないからwww」
「まなみのが強そうだC、大丈夫じゃね?」
「いや、確実にまなみのが強い」
「そうだな、お前のが強いわ」
「いや、そこ納得するとこじゃないから」
「んじゃ、連絡とってみるわ」
「わかった、よろしく、マジで死活問題だから説得して」
「どんだけだよwww」
「お前貯金しろよwww」
「だから、引っ越しで貯金使っちゃったんだっつーの!」
「少しは残しとけよ」
「亮お金貸してよ」
「だから俺給料安いってんだろ」
「公務員はボーナスがいいだろ」
「貯めてんだよ!」
「貯めてんじゃん、貸してよ」
「ぜってー貸さねぇ」
「ケチ」
とりあえず、ガクトにルームシェアのお願いをして、
(はぁ・・・決まるといいなぁ・・・)
なんとかルームシェア相手が決まることを祈りながら、ガクトがメールを打つのを見守っていた