仮想世界で最強の双子になった件⑤【さおり/白石/まなみ】

 

「なにこの砂・・・!!!」

 

すごい砂嵐に目も開けることができない

 

「やだ全然前見えない・・・!」
「でもどこかに人がいる・・・!!」
「どうし・・・ぶえ!口に入る!!」
「help!!どうしたら・・・!」
『この砂嵐はジャガーサンドラの攻撃です。ジャガーサンドラを倒せばおさまります』
「どうやって倒すの!?」
『タイガー型ジャガーサンドラ 砂・風属性です。翼が生えていて空を飛びますが体を砂に変えて砂と一体化も出来ます。弱点は水、氷、接着系の攻撃、また鉄などの重く強い攻撃には弱いです。ただし砂に体を変えて攻撃をすり抜けるのでジャガーサンドラに攻撃をするには固める必要があります』
「氷・・・なら!!ウルフで固めて・・・・!!」
「ダメ!!人の声がしたからその人まで凍っちゃう・・・!」

 

 

ゲームの世界だから きっと現実世界の命には別条はないんだろう・・・
ないんだろうけど、あまりにもこのゲームの世界がリアルだからか
今まで私たち以外の人間を町以外で見たことがあまりないからか
誰かが敵にやられてるってこの状況が怖くて震えが止まらなくて

 

絶対に助けないと! って強く思って。

 

死なないはずのゲームでも 早くしないと死んじゃう!!って必死で

 

 

必死で、

 

 

「まぁちゃん!!!早くしないと砂で息できなくて死んじゃう・・・!!助けないと!!」
「今考えてる!!!あーもう砂!!!やだ!!!!耳にも入る!!!!体中砂だらけだよ!!!」
「あ・・・!!まぁちゃん!!ゴーストで超音波できる!?」
「ゴースト!!あの子なら砂だろうがすり抜けるね!!」

 

 

私は急いでゴーストとスライムを出して

 

 

「ゴースト!超音波!!スラちゃん!相手がひるんだ時にその周りを粘液攻撃!!さおちゃんクマゴローとウルフも出して!」

 

 

まぁちゃんの掛け声でゴーストが超音波を出すと ゴオオ と苦しそうな声が聞こえ、砂でうっすらと虎の形が見えたところをスライムが粘液をかけて固めて逃げられないようにした。
そしてクマゴローは木属性だから木を生やして風の動きを止め砂嵐を止めたらドロッとしたジャガーサンドラをウルフちゃんが凍らせた。

 

 

そのあとはもうクマゴローとウルフちゃんで簡単にやっつけることが出来た。

 

 

一時はどうなるかと思ったけど 無事にジャガーサンドラを倒し
いつもの くぅん って可愛い瞳で見てくるからまぁちゃんが大喜びで仲間にした。
名前はいつもどーりネーミングセンスがなく とらお と名付けていた。

仲間にしたとらおは砂を操って 砂に引きずり込んだらしい人間を助けてくれた。

 

 

 

 

「・・・あれ」

 

 

 

気を失ってるように見える彼らを見て ハッとする。

 

 

 

こ、このイケメンは・・・!

 

 

 

「あれ、こいつ忍足の従兄弟じゃん。あときみ好みのイケメン」
「ちょ、ちょっと、何言ってんの!」
「え?でもタイプだったでしょ?」
「そ、それは・・・」

「ん・・・」

「あ、生きてた!!よかった!!!」

 

 

 

2人が目を覚まして 私たちは急いで駆け寄った。

 

 

 

「大丈夫ですか!?」

 

 

 

砂がたくさん入ったんだろう・・・
2人はゲホゲホと咳き込んだ。

 

 

「これお水です!うがいしてください!」
「ゲホ!き、来たらあかん・・・!」
「砂に吸い込まれるで・・・!」
「何が起きたんや?あ!ちゅーか、よかった・・・おった!!やっと見つけたわ・・・!」
「わけわからんけど、とりあえず早よ逃げよ!!砂のモンスターおるみたいなんやわ!話はそれからや!!」

 

 

2人は慌ててこの場から離れようとするんだけど
まぁちゃんの後ろにいる フレンズたちを見て表情が変わった

 

 

「ジャガーサンドラ!?砂の上位モンスターや!!危ない!!!俺が気逸らすから逃げ・・・!!」
「ちょっと、やめてよ」
「大丈夫俺が守・・・え?やめてて?」
「謙也!!!!あ、あかん!!スノウウルフもウッドベアーもおる・・・!囲まれとる・・・!!」
「なんやこれ!!どうなっとるんや!?!?」

 

 

 

 

そして私は次の瞬間

 

グイッ

 

思い切り手を引かれて

次の瞬間には  白石さんの腕の中にいたのだ。

 

 

 

 

(え?)

(え!?)

(えええええ!!?)

 

 

 

 

「あ、あ、あの、あ、(パニック)」
「必ず守るからな・・・!!!!」

 

 

(う、わ・・・、)

 

 

そう言った 白石さんの横顔が  あまりにもかっこよくて

 

 

(わあああああああ!!!!!!!!!)

 

 

頭の中が真っ白になってしまった

 

 

 

やばい・・・
これはやばいよ・・・!?!?

 

 

 

(ま、まあちゃんは・・・)

 

 

 

まぁちゃんも抱きしめられてはいないものの 忍足君に守られるようにして
すごく不機嫌な顔をしていた・・・(いや、顔・・・)

 

 

 

 

「く・・・!戦うしかない・・!砂の上やから俺の能力は役絶たへんけど・・・!俺の武器は弓やからこれが急所に命中するば・・・!」
「だから、やめろっつってんだろ」
「え!?なんでや!?危ないで!?あいつらそんじょそこらのギルドでも倒せへんしめっちゃ強いんや・・・!」
「知ってる」
「知ってるならなおさら・・・!!」
「謙也、俺ウッドベアーいくわ・・・お前はスノウウルフのほうを・・・」
「あああああの、あの、あの」
「大丈夫やで、命に代えてもきみだけは・・・」

 

 

 

命とは

 

 

 

そんな命かけるほどのことだっただろうか
ゲームだよね・・・?
いやさっきは私も必死だったけど・・・

 

 

 

なんだろう
よくわかんないけど
よくわかんないしかっこいいけど

 

 

 

なんか色々勘違いしてる・・・!!!!

 

 

 

「あの、あの、あの、あの子たちは大丈夫です・・・!」
「あぁ、大丈夫や・・・必ず守るで!!」

 

 

 

チガウチガウチガウ・・・

 

 

 

「向こうが動く前に・・・射る!!!!」
「射るな!!」
「なんでや!!」
「なんでって、この子たち」

 

 

 

アタシの仲間だから!!!

 

 

 

やっと、まぁちゃんがそう叫んだ

 

 

 

「へ???」
「仲間・・・って?」

 

「クマゴロー!ウルフ!トラオ!!おすわり!」

「あ、危ないで!!」
「近寄ったら・・・!」

 

 

まぁちゃんは くぅーん と甘えて頭を下げるフレンズたちに近づいて頭を撫でた

 

 

 

「だから、危なくないって!仲間なんだから」

 

 

 

ねー、いい子だもんねー とフレンズの頭を撫でるまぁちゃんを見て
忍足君も 白石さんも  ポカーンとしている。

 

 

「あ、砂!!砂大丈夫ですか!?」

 

 

だいぶ口にも入ったんじゃ・・・

そういう私の方に 白石さんは顔を向け

 

 

 

・・・・ハッ!

 

 

 

そう驚いた顔をした後に急いで離れた

 

 

「すすすすすすまん」

 

 

顔を赤くして。

 

 

 

 

(・・・顔、近かった)
(ビックリした)

 

 

 

「どーゆうことやねん!?仲間ってなんや!?」
「そのままだけど?この子たちアタシの仲間だから攻撃したら許さない」
「え???砂に俺らが引きずり込まれたのは・・・?」
「あれはトラオのせいだね」
「え???仲間って・・・やらせてたん?」
「違うよ!あの時はまだ仲間じゃなかったから!」
「それはどういう・・・」
「倒したら仲間になるんだわ。ほらドラクエ5みたいな感じ!」
「あのスライムが仲間にして欲しそうにこちらをみている・・・ってやつ?」
「そうそれ」
「え!?倒したモンスター仲間にできるん!?つかジャガーサンドラ倒したん!?!?」
「そうそう、クマゴローとウルフとゴースト、スラちゃんの力でね!」
「待って!?これみんな仲間・・・?」
「そうだよ、可愛いでしょ」
「いや・・・・・・・・・いや可愛いけども・・・」
「それより謙也、やっと会うたから話せな」
「あ、せや・・・!ずっと探してて・・・!」
「そんなことより舌真っ黒だけど大丈夫なの?」
「あぁ砂めっちゃ食うたわ・・・じゃりじゃりする・・・」
「あの、よかったらうち来ます?」
「うち!?!?」
「来ます!?!?!?」
「え、どーゆーことなん!?!?」
「うちお風呂あるよ」
「うち!?うちって!?」
「いいから行こ、さおちん」
「うん、プットイン」

 

 

 

 

その瞬間 私たちは   ストレージの中に入ったのだった。

 

 

 

 

 

 


 

 

初めて会うた時、あの子が謙也から聞いとった子か とか
わぁ同じ顔や! とか、俺の周りにはおらんおとなしい感じの子やな とか
そんくらいやったけど

 

メニュー画面が開けないと 俺のメニューを覗いてきた彼女は目をキラキラさせて
それまで 人見知りなんかな? って思うくらい戸惑ってんのがわかったのに

急に興味津々になってめっちゃ楽しそうに話すし

フワっと香る シャンプーの匂い(いや風呂上りやから当然なんやけど!!)(変態とちゃうで!!)
素直に喜ぶ横顔に

 

 

 

(・・・かわいい)

 

 

 

と思うてしもた。

 

 

 

そんなことを女子に思うたのは初めてで
でもゲームの世界でしか会うたこともないし
きっと周りにおらん女の子やからやろな、って思うようにして。
律儀にずっと敬語で話す 彼女のことが頭から離れへんかったのは 気にせんようにして。
もう一度会うてみたいな、なんて思うてたのも ログアウトでけへんのどうなったんやろって心配やったからとか思い込んで。

 

 

 

 

けど 忍足君から意識不明て聞いて
めちゃくちゃショックな自分がおって

 

実際に会うたことないし、ほんの少ししか話したこともないのに
彼女を探すのに必死になった。

 

 

それがどんな気持なんかわからんかったけど
ただ俺は 彼女ともう少し 仲良くなりたかったんや。

 

 

 

 

ギルドの活動を一時抜けて、謙也と一緒にあちこち彼女を探した。
そして砂漠に来た時 ズッ と体が砂に沈んだ。

 

 

あかん  そう思うた時にはもう遅かった。
一瞬やった。
せめて謙也だけは、と思うたけど
砂の上やと謙也は力が出せへん。

 

 

すぐに目の前は暗くなった。

 

けど次に目を開けた時 彼女がおって。

 

 

 

口の中もジャリジャリで砂だらけやったけど
それどころやない

 

気付いたら俺は彼女を抱きしめとった。

 

ゲームの中のたったあれだけの短い時間が
自分の中でこんだけ大きな気持ちになってたんやと その時気づいた。

 

 

 

結局彼女に 家に誘われ

 

今俺は  わけのわからん場所に来とった・・・

 

 

 

 

「な、なんやこれ!?どこや!?」
「説明はあとで・・・あの、お風呂入ってください」
「いや・・・え!?」
「露天風呂あるんですよ、うち」
「露天風呂!?」
「どーゆーことなん!?てかめっちゃもんすたーおるんやけど!?全部仲間なん!?」
「もーいいからまずは砂落としてきな!!!」
「タオルとか置いておくのでどうぞ」
「お、おおきに・・・」

 

 

ほな、とりあえず入らせてもらおうと 謙也と露天風呂に入った。

 

 

「・・・何がどうなってるんやろ」
「なんやもうサッパリや・・・モンスター仲間にでけるのも初めて見たけど、家があるのも・・・この不思議な世界も・・・」
「わからんけど・・・きっと帰れない彼女たちなりに一生懸命ゲームの世界で生きてきたんやろうな」
「・・・せやなぁ、あのジャガーサンドラも倒してまうほどやもんな・・・相当苦労してきたんやろな・・・」
「それよりも・・・現実世界で意識不明になっとるのヤバイやんな」
「あぁ・・・ログアウトもでけへんしどうしたらいいかわからんけど、とりあえず伝えんとな・・・」
「あと絶対に目も離されへんよな、またいなくなってもうたらかまわん」
「せや!侑士にも連絡せんとあかん」
「氷帝のみんなも心配しとるやろうしはよ連絡せな」
「とりあえず砂落とせてよかったわ・・・」
「な・・・ゲームやけどリアルすぎて・・・砂めっちゃ食うてもうたし耳とか鼻にも入ったで・・・」
「ここまでリアルにする必要もないと思うけどな・・・」
「飯も食うて風呂も入って・・・全くゲームって感じせぇへんよなぁ」
「怪我したら痛いしな・・・」
「死んだら・・・どうなるんやろうな」
「さっき死ぬかと思うたわ・・・苦しくて、もうあかんて思うたもんな」
「・・・このゲーム、なんかおかしいよな」
「せやな・・・」

 

 

 

 

ま、今はそんなことよりもっと大切なことがあるやろ、と
そんなことを話しながら風呂を出て 着替えてウロウロしとった
見れば見るほど不思議な場所っちゅーか・・・
まださっきまでのゲームの世界の方がリアルやで・・・

ここはまるで夢の世界のようで・・・めっちゃ落ち着くし安心して温かい風が吹いてるけどさっきまでとは明らかに違うな、と思う。

 

 

 

「あ、お風呂出たんですね」

 

来てください、ご飯用意してます

と、彼女は言うた。

 

(飯まで・・・)
(世話になりすぎやな俺ら・・・)

 

案内されたリビングに向かうと テーブルにはすごい料理がならんどった。

 

「えぇ!?どうしたんこの料理!!」
「買うてきたん!?」
「まぁちゃんが作ったんです」
「え、つ、つく・・・!?」
「肉あるで!?ま、まさかモンスター・・・!?」
「あ、それは豚肉ですよ!ハンターちゃんがお肉さばいて持ってきてくれます」
「す、すごいやん・・・」
「あと家の裏の川でもお魚がたくさん取れるのでクマゴローが取ってきてくれるんですよ!野菜も家庭菜園で魔導士ちゃんがすぐに大きくしてくれるから取り放題で・・・」
「クマゴロー・・・魔導士」
「あ、クマゴローはさっきのウッドベアーです!みんな可愛いですよ、ここには敵がいないからみんな楽しそうに遊んでます」

 

 

どうぞかけてください

そう言われ、俺も謙也も椅子に座った。

 

 

「デザート出来たよー、今日はアップルパイ!」

 

謙也がよう話してる まなみちゃん がデザート抱えて持ってきた。
あれ、もしかして・・・

 

「これ、まなみちゃんが作ってるんやて?」
「そーだよ!料理全部作ってる!」
「めっちゃすごいやん・・・」
「だろ」

 

じゃー食べよ!! と彼女も席についた。

 

「いただきます・・・・・あの、先に話さなあかんことあるんやけど」
「いただきます!!!食べながらでええから・・・聞きたいこともあるしな・・・」
「何?」
「あー、まずな」
「どうしたんですか?」
「・・・今もまだログアウトでけへん?」
「ログアウトどころかメニュー画面も相変わらず開けないんです」
「まぁでももう気にしてないけどね」
「いや気にして!!そこめっちゃ気にして!!!」
「あんな・・・言いにくいけど・・・」
「もー何!ハッキリ言ってよ!」
「いや、せやから・・・現実世界にはずっと帰ってへんのやろ」
「帰れないので・・・」
「落ち着いて聞いてほしいんやけど・・・こないだ侑士に会うた時に聞いたんやけどな」
「現実世界の二人・・・」
「二人?」
「あ、さ、さおりちゃんとまなみちゃん・・・」
「いきなり名前呼びとは馴れ馴れしいな」
「え、す、スイマセン・・・」
「まぁちゃん!!!もう!!!すいません白石さん・・・どうぞそのまま呼んでください」
「(天使か?)あ、あぁ、おおきに」
「もう、さっきから何!さっさと言っててば!!」
「せやから、その・・・!」
「・・・意識不明らしいねん」
「え・・・?」
「意識不明の重体・・・らしいねん・・・」

 

 

(言うて しもた)
(ショックやろうな・・・)

 

 

まだ高校生の女の子に
ほんまはきみら意識不明の重体やねん なんて

 

そんな残酷なこと 受け止められるやろか・・・・

 

 

 

 

 

「だろうね!!!!」

 

 

 

え???

 

 

「いや、だと思ったよ?さおちゃんが先に来た時に全然反応しなくてヤバいと思ったからね」
「言ってたね、ぐったりしてたと」
「ゲームの世界に来たらさおちゃん元気でいるし、でも帰れないし、まぁアタシもそうなってるって思ってたよね」
「お母さんたちも心配してるだろうし早く帰らなきゃねーとは言ってたんですけどね・・・」
「帰り方わかんないしね」
「ね。しばらくは色々つらかったけど今は衣食住充実してるからあまりつらくはないしね」
「いや・・・!けど!!けどこのままやと体も衰弱して・・・!!」
「うんまぁ言いたいことはわかるけど」
「とりあえず私たちはいけるとこまで行くしかないのでゲームクリアがんばろうって結論なんですよね」
「そ、そーなん???」
「さすがにゲームクリアしたら戻れるっしょ」
「ね、強くなってきたしがんばろう!!」
「めっちゃがんばる!!!」

 

 

 

ポカーーーーン😮

 

 

 

「え・・・めっちゃ前向きや・・・」
「・・・ははは!!おもろいな!!!!さすがやわ!!」
「や・・・意外やったわ・・・まなみちゃんはともかくさおりちゃんまでそう思うてるとは・・・」
「え!いやだって・・・どうにもできないですからねこの状況・・・それに・・・」
「それに?」
「私、ゲームはやりこみ派です・・・!!!」

 

 

 

メラメラメラ🔥

 

 

 

と、彼女は燃えておった・・・

 

 

 

(たくましい・・・!!!!)

 

 

 

おしとやかで真面目なばかりだと思い込んでた彼女が

 

 

こんなに芯の強い女性やったとは・・・!!!!

 

 

 

(・・・あかん)
(これはますます・・・)

 

 

 

 

「なぁ、ちゅーかこの料理めっちゃ美味いんやけど・・・すごいな!料理できるとか」
「そう?普通じゃね」
「ステータス見てもええ?」
「いーけど」
「どれどれ・・・・・・え?めっちゃレベル上がってるやん」
「ほんとー?いくつになってる?」
「51やで!?すごない!?」
「おー上がりづらくなってきたけどそれでも上がったね!トラオの経験値相当入ったと思う」
「職業料理人なんやな」
「は?それ初耳wwww」
「え、ウソやろ?選んだんとちゃうん!?」
「選んでないよ!!職業選べるの!?」
「選べるで・・・?選んでないのになんで料理人なんやろ・・・」
「料理ばっかしてるからかな?ウケるね、悪くないね料理人」
「悪くないんか!!!てか、あのモンスターたちはなんなん!?それ料理人関係ないよな?能力の方か?」
「あぁ、まぁそんな感じ」
「すごいなぁ・・・仲間にして欲しそうにこっち見てるってやつ聞いたことなかったわ」
「ほんとに仲間にして欲しそうにこっち見てるのさ・・・くぅーんって・・・超可愛くて・・・」
「まぁちゃん断らないから家出来る前はゾロゾロみんなで移動して大変だったんですよ・・・」
「断れないじゃん・・・!今はもう何も気にせずホイホイ仲間にしてる!!」
「今はいいよね、ここ広いしね」
「ここはどこなん?空も木も全て見たことない場所やで」
「ここはストレージってアイテムの中なんです」
「ストレージ?そんなアイテムあるんか」
「多分貴重なやつ。さおちゃんしか使えないの」
「へぇ!すごいな!!」
「それでドワーフたちを助けてみんなで家作ってくれて」
「露天風呂まで作ってくれたしみんなの寝る場所も作ってくれたしね」
「まだちょっと細かい作りがわからないところは魔導士ちゃんのお世話になってるけど・・・」
「楽しくくらしてるよねここで」
「めっちゃ楽しそうやん」
「楽しいよ、ずっとここにいたいくらい」
「でもクリアしないとね」
「だね、現実世界のうちら死んだら元も子もないしwww」
「死んだらこの世界どうなんだろう?ゲームの世界の私たちも死んじゃうのかな」
「いや!!!!その会話!!!!!!」
「重い話をサラリと!!!!!」
「死んだら死んだでね」
「ね」
「あかん!!!死んだら!!!!!」
「絶対死んだらあかん!!!!!」
「必死wwwww」
「必死にもなるわそら!!!!」
「そうだ、今のこの状態でゲームの中で死んだらどうなるんだろう?それこそ元の世界に戻れるのかな?」
「あ、それいいね!いったん死んじゃえばいいのか!」
「そんな簡単に!!たとえゲームの世界だとしても怪我したら痛いで!?」
「でもそれしか解決できないなら死ぬべきでは???」
「いや他の方法考えようや・・・セーブもでけへんしここにいる仲間たちも困ってまうで」
「それはそうですね・・・みんな泣いちゃうかも」
「泣かせるのは駄目だね」
「あ、ちゅーか!侑士に見つけたって連絡せな!」
「は?絶対やめて」
「え???」
「アイツに連絡したら絶対許さない・・・」
「いや許さないとかやなくて・・・氷帝のみんな心配して探してるらしいねん」
「いやアイツら最初にめっちゃ馬鹿にしてきたからね、まだ始めたばっかだったから跡部は装備買ってくれたけどギルドにも入れてくれなかったしムカつくから見返してやるんだ」
「まだ根に持ってるw」
「根に持つよ!?絶対もうギルド入ってやんないし!!!!後悔させてやんの!!!!!」
「始めたばっか・・・?レベル10以下やったらギルドは入られへんからまずはレベル10にせなあかんのやけど・・・もうそれはクリアしとったん?」
「え・・・レベルは1だった・・・」
「ほなギルドは入れへんな」
「なんと😲」
「まぁちゃんめっちゃ怒ってたのにねwww」
「ほな、連絡してもええか?」
「待って!!うちらのこと見つけたってとこまで!もう探さなくていいってことだけ!!居場所は伝えないで!!!」
「居場所伝えても分かんないと思うけどね、ここストレージの中だし」
「居場所言わな・・・このままにはでけへんやろ?」
「言わないで!!!絶対!!!!!!!言ったらもう一生口きかない!!!」
「えそれは困る😨」
「とりあえず見つけたからもう探さなくてええって伝えたらええんちゃう?相当心配してると思うし・・・跡部君も現実世界で運営の会社と取り合って解決法探してくれてるみたいやし」
「・・・まぁそれなら」
「ほな、連絡するな」

 

 

 

そして謙也はメニュー画面を開いて 侑士くんへ連絡を取った。

 

 

 

 

 


 

 

なんかどうも顔面男(白石と言うらしい)がさおちゃんを見つめ過ぎな気がする・・・
いや、気がするわけじゃない、実際見ている・・・
そりゃさおちゃんは可愛いからわからなくもないが しかしゲームの世界でしか会ってない女に惚れたとしたら

 

 

危険だ😨

 

 

そんな軽いチャランポランな男  危険だ
良く聞くじゃん、ゲームの世界とかSNSで出会って声かけてくる出会い厨の男
絶対あいつあれじゃん!!やばいじゃん!!!
はーーーーーー
そういうやつって大体体目当てなんだよ~~~
現実世界で会おうとか言ってさ・・・!!!連絡先聞いてさ・・・!!!!
やべーじゃん!!!さおちゃん絶対守らなきゃ!!!!

 

そのためには何が何でもこのゲームをクリアする・・・!!
忍足の従兄弟がいるからなんやかんや連絡先調べてさおちゃんに接触しようとするかもしれんけど

 

おらは
さおちゃんを
守る・・・・!!!!!!!🔥

 

 

とにかくアイツらと離れたいんだけど
なぜかあれからアイツら離れない。何が起きても傍にいようとする。
なんか必死だ。

それもこれも こないだ跡部との通信での会話が発端だった。
あの日、クソメガネに連絡した後 すぐに電話(通信?)がかかってきたのだ。

 

 

『謙也!!!見つけたって・・・ほんまか!?』
「あぁ、今一緒におる」
『代わった、俺だ。あいつらは無事か』
「跡部か?あぁ、元気やで」
『代われ』
「相変わらずやな跡部は・・・ん、話したいみたいやで」
「おう、ギルド入れてくれなかった文句言ってやる」
「まだ言ってるの!?レベル上げないと入れないってわかったのにしつこくない!?」
「おぅ、跡部!!めちゃくちゃレベル上げしてるからな~お前なんぞ捻りつぶすくらい強くなったぞ・・・フフフ」
『まなみか?お前、体調は平気なのか?』
「体調?あぁゲームの中では元気だけど現実のうちら死にそうなんだって?やばくねwww」
『笑ってる場合じゃねーだろ・・・ったくお前は』
「今うちらの体は病院なの?うちの親大丈夫?」
『お前らの母親はずっと病院でつきっきりだ。今うちの会社でも勢力を上げて原因を調べてるが・・・運営会社の住所を調べたが会社なんてどこにも存在しねぇ・・・どうもこのゲームには裏がある』
「なにそれやべーじゃん!だから嫌だったんだよ知らないやつから送られて来たゲームなんて」
『何?知らねーやつから?』
「うん、そう、いきなりうちに届いて」
「このゲーム・・・跡部からじゃないの?」
「なぜか跡部からと信じているさおちゃん」
『残念だが俺じゃねぇ』
「え・・・」
「ほーら!!!言ったじゃん!!跡部はプレゼント直接渡しに来るもん!!はー、やっぱ知らないやつから送られて来た怖いゲームだったんだよ!!」
「そんな・・・」
『・・・とりあえず詳しい話は会ってから聞く。お前らいまどこだ』
「ナイショ」
『は?おいふざけるな。お前らはいま危機的状況にあるのわかってんのか?早く居場所を教えろ』
「ぜってーやだ」
『バカか!!!早くしろ💢』
「やだ。こっちはこっちでゲームクリアするから!クリアすれば戻れるでしょきっと!」
『それはわからねぇ・・・このゲームクリアしたやつがいねぇからどうなるかは未知だ。とにかく俺たちと今すぐに合流しろ、お前らはな・・・』
「あーもう、やだって言ってんじゃん!跡部うるさいからもう切るわ」
『ちょっと待て!!今のお前らは精神が深くゲームと一体化している!体も衰弱化してるが、もしゲームの中でモンスターにやられたらそのまま死ぬかも知れねぇんだぞ!!!だから俺たちが守・・・っ』
「へーそうなんだ。でも大丈夫うちら強いから」
『いやそういう問題じゃねーだろ!!いいから居場所を・・・!!』
「とにかくゲームの中でも死ななきゃいいんでしょ!!じゃーね!!」

 

 

 

通信を切ったら 今度は忍足の従兄弟に居場所を教えろと眼鏡から連絡が来たみたいだけど
意地でも教えるなと言ったからなんか必死に断ってたwwww

 

つか忍足の従兄弟とか顔面男って呼ぶのめんどうだなそろそろ🤔

 

 

(まぁ・・・忍足の従兄弟の名前は知ってるけどね)
(謙也・・・)
(あいつ、そーいや砂漠ですごい必死に守ろうとしてくれたなw)
(・・・弱っちいくせに)
(全身砂だらけなのに・・・ほんと・・・面白かったな・・・)
(そういや顔面男も・・・さおちゃん守ろうとしてたけど)
(あれは多分演技・・・あぁして女の子を落とす作戦)
(さおちゃんだけは守る)

 

 

「・・・とりあえずうちらは死んだらダメらしい」
「死なないようにしなくちゃね・・・」
「うん、親心配してるみたいだしね」
「やばいね」
「やばいけどこれでやっぱクリア一択になったからがんばるしかないよね」
「そうだね・・・」
「あとお前の名前はなんだったか」
「え?俺?白石やけど・・・」
「そうか、白石・・・・・・白石は許さない」
「え!?!?俺なんかしたやろか!?」
「やめなよまぁちゃん!あ、それよりも二人とも時間大丈夫ですか?現実だと今何時くらいなんだろう」
「あぁ、もう夜遅いな・・・明日も朝練あるしそろそろ寝んと」
「お、じゃあもう帰るんだな!ハハハ!もう会うことはないと思うけどがんばってレベル上げしろよ!」
「・・・いやや!」
「は?」
「なんか・・・わからんけど・・・ここで離れたらあかん気がする!」
「俺も・・・せっかくみんなで探して見つけたのにここでサヨナラなんてでけへん」
「俺、学校も部活も休む!!ずっと・・・ずっと一緒におる!!」

 

 

(・・・)

 

 

謙也がすごい勢いなので 言葉を失ってしまった。

 

 

いや

 

それ意味わかって言ってんのかなこいつは・・・

 

 

(女の子なら誰にでも言ってんのかな・・・)

(アホだから言ってそう・・・)
(なんか中一の頃から馴れ馴れしく話しかけてくるもんな・・・)
(こいつもチャラ男なのか・・・?)
(いやでも)

 

 

 

さっきの必死に守ってくれようとするその顔は すごく真剣だったから

 

 

 

(他の女の子にもそんなことしてたら・・・)(なんかやだな)

 

 

 

モヤァ

 

 

 

「・・・もー部活も学校も休んだらヤバいでしょ」
「いや・・・けどそんなん大したことやないで!」
「でもなぁ謙也。俺らは親にゲーム消されたり体揺らされたら現実に戻ってまうし、どっちにしても8時間経つと強制終了されてまう・・・もう6時間くらいは経っとるから・・・あと2時間・・・」
「けどここ俺らが気軽に来れるところとちゃうんやろ?一旦ログアウトしてもうたらまた会えなくなってまうやん・・・!何日も探してようやく会えたのにこんなん・・・!」
「それは俺かて心配しとる・・・メニュー画面開けへんしIDもないし連絡の取りようもない・・・どないしようって心配しとる・・・けど・・・」
「俺らがおらん間になんかあったらどないすんねん!?そら俺らより強いし頼りになる仲間もおるかもしれへんけど!!俺かて守りたいし傍におりたい・・・!不安やねん!!」

 

 

 

謙也はなんか必死だし白石は悲しそうな顔でさおちゃんを見つめた。
さおちゃんはその眼に見られ、恥ずかしそうに俯いた。

 

 

(うーーーーーーーーん)
(悪いやつではないのかな・・・)
(もーーーーーー)

 

 

 

「あーもう、しょうがないなぁ!」
「え?」
「じゃあうちのウルフたんたち貸してあげる」
「え!?そんなんできんの?」
「リーダーは戦いに必要だから貸せないけど、同じ種族の子貸すね」
「貸すって、え?」
「ストレージはさおちゃんしか連れてこれないからセーブしてログアウトしてももうここには来れないと思う」
「せやな、そう思うわ」
「でもうちの狼部隊なら優秀だからあんたたちの匂いを覚えればあんたたちを迎えに行ける」
「確かに!!」
「ストレージの中には数匹しかスノーウルフは連れてきてないけど、誰か一人仲間になった種族はみんなもう仲間になるみたいで」
「へぇ!すごいな!!」
「世界中にいるスノーウルフたちがアタシの言うこと聞くから」
「迎えに来てくれるっちゅーわけやな!?」
「うん、そう。あんたたちのさっきの砂だらけの服あのままくれる?装備一つなくなるけどいい?」
「そんなん全然ええで!!」
「じゃあ狼たちみんなに匂い覚えさせとくから!あんたたちはもう帰って寝て明日の現実を乗り越えて早く寝な!」

 

 

 

はい!じゃあ解散!!

 

 

 

そう言うと安心したのか謙也も白石も嬉しそうに笑った。
もうおらも疲れたし念願の虎ちゃんをGETできたし、白石と謙也にはくれぐれも居場所を言わないように釘をさし
2人はログアウトして戻って行った。

 

 

 

「・・・さおちゃん、うちらも寝ようか」
「・・・うん」

 

 

 

そんなこんながあって常に見張られている!!不便だ!!

でもなんか嫌ではない・・・のでとりあえずは諦める。

なんだかさおちゃんのポーーーとした感じが気になったけど
今日は疲れたからまた明日からがんばることにする。以上!

 

+1