仮想世界で最強の双子になった件②【まなみ】

 

今社会現象にまでなってるヤバそうなゲーム、なんか怖いからやる気しなかったんだけど家に届いたらさおちゃんがやるっつってさ・・・
さおちゃんすごいぐったりしちゃうしとりあえず連れて帰らなきゃと思って仕方なくゲームの世界に飛び込んだ。
送り主もわからないやばいゲームなんてやるべきじゃないんだよ!
もう!いつもさおちゃん冷静なのにゲームやりたすぎて冷静じゃなかった!

 

んでゲームしたら開始早々女神が出てきて能力はアニマルフレンズとか言うし!
可愛すぎるだろアニマルフレンズ!どうかしてるぜ!

 

とりあえずさおちゃんとすぐ出逢えたのはよかった。
その後すぐに氷帝のやつらと会って装備買って貰えたのもよかった。

 

 

でもギルドに入ってやるっつったのに入れてくれなかったのは許せねぇ根に持ってやる💢💢💢

 

こんなゲームやめてやる!ってさおちゃんが三馬鹿から聞いてきたやめ方を試したけど全然よくわからんし、仕方ないからチュートリアル?終わるまで?しばらく続けることにしたんだけど・・・

 

 

 

 

「なんだこれ」

 

 

今おらは絶体絶命のピンチに立たされている。

 

いや、ピンチってか

 

 

 

「どうしよう」

 

 

 

すごい今モンスターに囲まれている・・・

 

 

 

 

嫌な予感はしてた。
こっちについてから野生のリスとかタヌキがやたら近づいてきていた、まさにアニマルフレンズだと思ってた。でも野生は菌があるから触っちゃダメって昔さおちゃんに怒られたことがあるから触らなかった。
でも今あれだ。

 

 

モンスターだよなこれ?

 

 

角生えたウサギとシッポに手が生えた猿と毛玉のような鳥に囲まれてる。
めっちゃ見られてる。
どゆこと?

 

 

 

「どうしようきみどうしよう助けを呼ばないと一気に3匹はレベル1の私たちにはキツイどうしよう」

 

 

 

ちなみにさおちゃんは初の戦闘でパニックになっている・・・

 

 

「よし・・・とりあえずさっき買ってもらった武器で倒してみよう」
「え、3匹を!?いけるかな!?」
「多分大丈夫、やってみよう」

 

 

ごくり

 

 

なんかみんな見た目可愛いから胸が痛むな・・・
でもこれも全てレベル上げのためだ、許せ!

 

 

と、刀を向けたけれど。

 

 

「きゅうきゅう」

 

 

モンスターたちがめっちゃ可愛く擦り寄ってきた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

アニマルフレンズ!!!!!!!!

 

 

 

 

 


こっち!?!?
こっちなの?アニマルフレンズ!?!?
獣人化とかする方じゃないの!?!?
え、ちょっと獣耳っ娘とかなってみたかったけどね!?!?
めっちゃ高く飛んで牙とかでかっこよく攻撃とかしたかったけどね!?!?
なんだよこっちかよアニマルフレンズ!!!!!!
めちゃくちゃフレンズじゃん!!!!!

 

 

 

 

「どうしよう倒せない」
「なんか可愛いと思った」
「だよな?これ剣でグサッとか出来なくない?」
「襲ってきたならまだしもこんな可愛く鳴かれたら無理だわ」
「これ絶対アニマルフレンズに反応してるよね」
「そう思う」
「だったらすでに能力発動ってことで倒したことにならないのかな?」
「なってるかもしれないね」
「戦えないもんね」
「そうだね」

 

 

なんだか呆気に取られてしまった・・・
とりあえずこちらに危害を加える気はなさそうだからそれは安心したんだけど・・・

 

 

「・・・仲間になりたそうだな」
「うん、きみに懐いてるよ・・・可愛いね・・・」
「可愛い・・・仲間にする・・・」

 

 

仲間になりなと話しかけたら3匹は頷いた。
すごい可愛いなにこれ・・・
おらの言葉がわかるの?お利口さんや・・・

 

 

「いいなー!きみいいなー!」
「やったぜー」
「いいなー・・・私も早く覚醒したい・・・」
「覚醒できるといいね・・・」
「一気に仲間増えたね・・・名前付けないの?」
「あーそうか名前な」
「名前つけないと呼べないもんね」
「そーだね・・・じゃあ、ぴょん吉とおさるとピーコにする」
「そのまま!!!!ネーミングセンス!!!」
「いやだって見た目のままの名前つけないとわからなくなるから・・・信長家康秀吉だと誰が誰かわからなくなるだろ?」
「まぁ・・・」
「そのままで呼ぼ・・・」
「わかった・・・」

 

 

 

なんか知らんけどいきなり仲間が増えてしまった。みんな懐いてくれて可愛いし、冷静に考えたらなんかこれポケモントレーナーみたいでかっこよくないか???
おらかっこいいな?トレーナーじゃなくてフレンズだけどな!

 

「仲間増えたのはいいけどどうしよう?」
「とりあえずレベル上げだよね」
「だよねーどうやったらレベル上がるんだろ」
「戦うしかないよね」
「よし、がんばろう!」
「モンスター探そう!」

 

と、さおちゃんと話していたら
ピー!とピーコが鳴いた

 

「ん?ついて来いって?」

 

なんとなくそう言ってる気がしてピーコのあとをついて行くと・・・

そこにはスライムが・・・!!!!

 

 

「スライムいた!」
「倒そう!!」
「どう倒すんだろ!」
「わからん、なんかよく見たらキモイ!!」
「無理だねどうする!?」
「どうしよう!!」

 

 

さおちゃんと実はすごいキモかったスライムを見てビビってたらおさるが急にスライムに飛びかかった!

 

 

「あっ!おさる!!」

 

 

ぴょん吉も突進して角でスライムを刺して倒してしまった。
え、うちの子たちめっちゃ使えん???やばない???いいのかなこれ???

 

 

「スライム倒しちゃった・・・」
「めっちゃすごいやん・・・うちの子たちすごいやん・・・」
「レベルってどうなったんだろう?上がったのかな?」
「さぁ・・・」
「そういやさっきチョタくんがステータス見れるようなこと言ってたよね」
「そうだっけ?」
「それも空中タップってやつなのかなぁ・・・」
「うーん、タップもスライドもなんも起きないしよくわからん!」
「ね、わからんね」
「とりあえずこの調子でスライム倒していけばいいのでは?」
「そうしよう」

 

その後もスライムとか弱そうなモンスターをぴょん吉たちの力で倒していき
途中しっぽがやたら大きなリスと宝石のように目が光るシロヘビを仲間にした(ヘビはさおちゃんの反対があったけど目が綺麗だから仲間にしてみた)(亀は無理だと思う)(おらは亀がダメです)

 

分かったことがいくつかあった。

 

・仲間になるのはアニマル系のモンスターということ(アニマルフレンズだもんな!)
・明らかに強そうなモンスターはアニマル系でも仲間にはできない(1度全力で逃げた)
・ぴょん吉たちも回復薬を食べたら回復する
・相変わらずゲームのやめ方わかんないしステータスも見れない

 

とりあえずひたすら弱い系の魔物を倒して行った。
最初はみんなで何度か攻撃とかして戦ってたけど後半は一撃で倒せるようになってたからぴょん吉たちは強くなってんだろうな・・・
おら達はどーなのかな?
なんもしてないけど・・・特にさおちゃんなんもしてないけど・・・
でもなんかぴょん吉たちさおちゃんにも懐いてるしいっか!

 

「あー疲れた」
「疲れたしめっちゃお腹すいたな」
「よし、村に行って宿屋に泊まろう」
「そうしよう」
「お金も少し貯まったから泊まれるだろう」
「そうだね」
「明日になったらゲームやめれたらいいなー!」
「きみそればっかりだね」
「一刻も早くやめたい」
「まぁちょっと疲れたよね」

 

 

そんな話をしながら村の宿屋に向かった。

 

 

 

「モンスター連れはお断りだよ!!」

 

 

めちゃくちゃ怯えられて断られてしまった。

てかモンスター引き連れて歩いてるだけですごいザワザワされた。

ドラクエでもモンスター仲間にしてたけどこの世界ではそういうのはないのかな?
この村が田舎すぎてそーいうのわからんのかな?
ポケモンだって街中ポケモンで溢れてる世界なのにな!

 

 

「よし、みんな村の外で待機な!」
「それは可哀想では」
「え、でもきみ野宿とかできる?無理じゃね?こんな疲れてんのに・・・風呂も入りたいし美味しい物食べたいしメンタル的にも回復しないよこれ」
「まぁね・・・」

 

でもほんとにくぅーんって感じでみんな見てくるんだよなぁもう!やめてくれよ!!ジョン思い出すだろ!
確かに村の外で待機はちょっと可哀想だし、もし離れたら仲間じゃなくなるとかならせっかく強くなってきたのに困るよな・・・
明日また戦わなきゃならないならしんどいよな・・・

 

 

「うーん、風呂とご飯だけでも・・・いや寝る場所もフカフカの布団じゃないと無理だな・・・清潔感もないと困る」
「ね・・・なんかやたらリアルな世界すぎて単純に宿屋で寝るってわけに行かないから困るね」
「お腹も空くし・・・泥や汗で体もベタベタするしね・・・」

 

はぁ・・・とさおちゃんとため息をついていたらおさるとリス太郎に服を引かれた。

 

「ん?どした?」
「なんかすっごい可愛くない?きみずるいね?」

「ついてこいって言ってるようだ・・・行ってみるか」

 

とりあえず引かれるままついて行った。

 

「え?なにこれ・・・」
「わー!!すごい!!」

 

やたら森の中に入るなと思ったら
なんとそこには広い温泉が広がっていた・・・!!!!

 

「めっちゃ広いじゃん!泳げる!!」
「温度は・・・?うん、ちょうどいい!」
「よし、入ろう!!」
「疲れたからとりあえず入ろう!」
「ありがとう!!」

 

 

おさるの仲間たちもいたけど誰も気にしてなかったからおらたちも気にせずに入った!
疲労回復の効果があるのか温泉に入ったら疲れも小さな怪我とかも全て取れてリフレッシュした!!!
シャンプーリンスがないのが残念だけどとりあえず充分!!!

 

「はーーースッキリした」
「お風呂気持ちいいね・・・」
「素晴らしい秘湯だね・・・」
「しかし今度は喉乾いたな・・・」

 

そう思っているとみんなが次々に木の実を持ってきてくれた。

 

 

「あ、これ今日ピーコが何回か持ってきてくれた木の実」
「この木の実の中のジュース美味しかったね」
「うん、ポカリみたいだよね」
「見た目はココナッツだけどね」
「木の実のカラ固いけどぴょん吉たち開けてくれて助かる!」
「それにフルーツも取ってきてくれたよ!」
「お、バナナ!この世界にもバナナあるのか」
「みかんもぶどうもある!」
「フルーツあんまし好きじゃないけど食べるよ、ありがとう」

 

みんなにお礼を言ってフルーツをむしゃむしゃ食べた。
お腹すいてたからフルーツ苦手だけどすごい美味しかったよ!満腹感はないけどとりあえず腹は満たされた。

 

「あとは寝床だね・・・」
「もう寝たいね・・・」
「さっきの温泉でかなり回復したけど今日歩きっぱなしだったからやっぱり足痛いな」
「ここまでリアルに作らなくてもいいのにな、なんなのこのゲーム」

 

さおちゃんとブツブツ言ってるとリス太郎が大きな木を登って行った。

 

「ん?」

 

みんながキューキュー言うから木の上を見ると 大きな木の真ん中に穴があいていてそこからリス太郎が顔を出していた。

 

 

「あ、穴がある」
「あそこ寝床になるのかな」
「でも高くて登れないね」

 

そう言っていたらおさるが長いしっぽでおら達をひょいと持ち上げて穴の中に入れてくれた。

 

 

「ありがとうおさる!!」
「あ!ちょっと!!なにこれフカフカ!!!」
「めっちゃフカフカ!!!」
「リス太郎の寝床!?」
「高いの怖いけど奥の方で寝たらなんとかなるかな」
「高いの怖いな」
「高いのは怖い」

 

そう話してたらリス太郎が仲間を呼んでくれてリスたちがかたまって入口のほうを塞いでくれた・・・小さい窓みたいなのはあるけどこれなら落ちないだろうし大丈夫だ!
とりあえず一晩だけなら充分かな・・・
あぁ・・・フカフカだし気持ちよくて・・・もう起きてらんない・・・

 

 

秒で寝る・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーめっちゃ寝た」
「めっちゃ寝たね・・・おはよう」
「今何時だろう」
「わからん」
「疲れすぎてて爆睡だったな」
「いつ寝たかも覚えてないよ」
「気がつけば朝」
「でもおら高いところ怖いからやっぱもうここは勘弁だな」
「わかる」
「おうち帰りたい・・・ベットで寝たい・・・」
「超わかる」
「まだ帰れないのかな・・・タップタップ・・・スライドスライド・・・ダメだ!なんも出てこない!」
「うーん、分からないけどもう少しレベル上げるしかないのかな?チュートリアル終わるまで」
「早く帰りたい・・・仕方ないから今日もレベ上げして万が一また帰れなかった場合に備えてどこか安全な寝床を探そう・・・」
「それは賛成・・・モンスターもウロウロしてるし安全な地上を探そう・・・」
「もうこの辺のモンスターじゃ瞬殺出来るようになってきたし探しついでに移動しない?」
「そーだね、この辺草原多くて夜過ごす場所少ないからね」

 

 

こうして今日の目標を何となく決めてまたおさるに下ろしてもらってフレンズたちと合流。
朝ごはんにまたフルーツとか木の実持ってきてくれてた・・・
めっちゃええ子たちや・・・

 

そんで場所移動しつつモンスター倒しつつ寝場所探しつつ
またもや!!!一日中!!!!
歩きっぱなし!!!!!で!!!!疲れた!!!!!!!!
おうち帰りたい・・・!!!!!!!!

 

 

「まじクソ疲れた」
「やばすぎる・・・」
「なんかでもこの辺の敵も最初手こずったけどもう簡単にやっつけれるようになったね」
「ね!!なんかみんな新しい技も覚えてたね!なんか見た目も進化した子いたね!」
「うん、お利口さんやな・・・」
「相変わらず帰り方わかんないけどね・・・ 」
「うん、おうち帰りたい・・・」
「とりあえずこの辺は隠れる場所も多いし良さげだね」
「そーだね・・・ん?」

 

 

遠くに灯りを見つけて
フレンズたちがまたきゅーきゅー言ってた。
どうやら向こうに街があるらしい・・・

 

「街・・・!!」
「街行こう!!」
「回復薬とか買いたかったからよかったー!」
「あとこの子達の装備とかもあったら買いたい」
「うちらの服の替えもほしいよね」
「もっと強い装備もあればいいね」
「なんか途中からすんごいお金手に入るようになったし結構色々買えるのでは?」
「かなり稼いだよねー」
「あとなんか暖かい料理も食べたい」
「そうだね、木の実しか食べてないしね」
「みんなの分もなんか食べ物買ってくる!」
「よし、行こう!!」

 

 

私たちは街に向かった。

 

 

「うわー!でかい!!」
「でかいね!?」
「昨日の村とは大違いだ!」
「都会だね・・・」
「ちょっと探検してみよう」
「フレンズたちどーしよう?都会だし・・・追い出されたらやだなあ」
「ポケモンみたいにモンスターボールに入れれたらいいのにね」
「ほんまやな・・・」
「あ、でもあれ使えるんじゃない?」
「なに」
「なんかどっかのモンスターが落としたアイテムで姿消せる木の実あったよね」
「あぁ、3時間くらい姿とか消せるやつあったね」
「あの木の実食べさせてみたら?」
「いーね、そうする!」
「これで少しは大丈夫かな」
「うん、あまり人がいない場所で休んでな・・・みんな今日もたくさん戦ったから疲れたでしょ」
「じゃあ行こうか」
「よし、久々のショッピング楽しむぞ!!」

 

美味しいもの買ってくるね~と言ってフレンズたちと分かれ、街に入った。

 

 

「あぁ、この地面もちゃんと舗装されてる感じ……」
「これぞ街だね」
「あんま時間無いから装備とアイテム見てご飯食べて戻ろ」
「だね!」

 

 

久々のショッピングは楽しかった!!
思ったよりも安く新しい性能のいい装備も買えたし、あと普段着る服も買った!

アイテムもいつもフレンズたち戦いで怪我しちゃうから回復薬とか多めに買っといた!!

手が切れそうなくらい重いけど満足!!

 

 

「ねぇ、時間まだあるしここ銭湯みたいだから寄ってかない?」
「いいね!」
「シャンプーとかでちゃんと髪洗いたかったし」
「お食事もついてるらしいよ!」
「最高じゃん」

 

 

早速お風呂に入って身体中ピカピカに洗って、ゆっくりお風呂入って癒されまくった!!
やっぱりお風呂はいいな……。汚れも取れたし痛かった足も楽になった。
さて、お次は久々の温かいご飯!!!木の実じゃない!!フルーツじゃない!!調理されたご飯!!

 

 

「すっかり暗くなっちゃったね」
「ね、食べたらすぐ戻らないとね」
「どれにする?」
「肉食べたい」
「やっぱ肉だよね」

 

 

さおちゃんと肉を頼んでワクワク待っている時。

 

 

「アイツらどの辺におるやろ?」
「なー、もうすぐ合流出来たらええんやけど」

 

ガチャガチャと硬そうな鎧つけた男が2人やってきた。

 

 

 

「あー、席いっぱいやわ、どーする?」
「んー今更店変えんのもなぁ・・・」
「腹減ったわーーー・・・・・ん?」

 

 

 

 

 

なにかに気づいたのか1人がズカズカとこちらに近づいてきた。
いやまさかな、うちらじゃないよな?

 

「・・・あ!やっぱりや!ゆうしの友達の・・・」

 

 

 

!!!!!!

 

こ、こいつは・・・!!!!

なんかよく商店街でクソメガネと一緒に買い物してる忍足の従兄弟・・・!!!

三馬鹿とも仲いいし、色々話は聞きたくもないのに聞いてしまっている・・・

アタシはクソメガネが嫌いだから関わりたくないのに・・・!!!1

うわぁぁぁぁ最悪!! 見るからにチャラそうだもんな!!ゲームの中で声かけてくるとかマジでヤバいな陽キャ!

 

「クソメガネの従兄弟!!!てかアイツとは友達じゃない!!!!」
「ちょうど良かった~!席空いてなくて困っとったんや!!一緒にええ!?」

 

 

(むかー!!!!💢💢💢)
(いいって言ってないのにもう座ってるし!!!!)
(何こいつ💢💢💢)
(さおちゃんとの久々のんびりご飯タイムがぁ~💢💢💢)
(ぜってー許さん!!!)
(忍足👓次会ったら殴る💢💢💢)

 

「おーい、白石、ここ一緒にええって!」
「だから💢いいって言ってない!!!」
「すんません、なんか・・・座る場所なくて・・・」

 

 

なんかやたら顔面キラキラ男がやってきた。
あっ!この顔は!!!
さおちゃんのタイプの顔じゃないか!!!!!
さおちゃん見たらかたまってる・・・
あーあ・・・

 

 

 

「ど、どうぞ・・・(ドキドキ)」

 

 

 

ほーらな!!!!
ほーーーらな!!!!!!
あーあおらもう知らねーーー!!!!

 

 

 

「なんや、謙也知り合いやったん?」
「知り合いっちゅーか、ゆうしに会いに東京行くやろ?あん時に向日たちの商店街によく行くんやけど、向日たちと幼なじみやんな?向こう行くとよぉ会ってたんや!」
「へぇ!すごいなぁ、ゲームの中でも会えるとか」
「いや会ってたっつーか!あんたと会ってた覚えないし!たまたまアタシがガクトや忍足と喧嘩してる時にあんた傍にいるだけじゃん!」
「ちょこちょこ話してたやんか!」
「いやあんたが話しかけてくるからでしょーが!!!」

 

全くこいつは💢💢💢
忍足の従兄弟だけあって図々しいやつだわ💢💢💢

 

 

「あ、俺白石蔵ノ介や!大阪の四天宝寺っちゅー学校に通っとんねん。よろしゅうな!」
「あ、まえさおりです・・・」
「俺は謙也やで~苗字は忍足やけど、けんや!謙也やで!謙也って呼んでな!」
「肉美味い」
「めっちゃマイペース」
「まぁちゃん!すいません、この子はまなみです・・・」
「双子やったよな?」
「そ、そうです」
「双子かー!えぇなあ双子!ところで同い年やろ?敬語使わへんでええからな!」
「いや私は敬語で・・・」
「(さおちゃん相変わらずくそ真面目・・・すき・・・)」

 

 

 

「で、この街には何しに来とったん?」

 

忍足の従兄弟のツレの顔面男がそう聞いてきた。

 

「何しに・・・ってたまたま見かけたから買い物とご飯食べに来たよ」
「そうなんや!俺らはギルドの仲間探しながら来てたんや」
「出たギルド」
「ギルドどこか入っとるん?俺ら四天宝寺っちゅー学校の仲間でギルド作っとるんやけど・・・」
「みんなギルド学校で作るな!ギルドなんて入らんよ!」
「入らへんのか!」
「入らん」
「でもギルド入ったらログオフしとっても仲間がクエストクリアしたら経験値入るし、情報も入るし、ギルド戦のイベントでもらえるアイテムもあるしお得なことばっかやで?」
「そうなんだ・・・なんにも知らなかった・・・」
「だねー昨日始めたばっかだしね」
「あ、そうなんや?ほな初心者や?」
「初心者すぎて何もわからなくて・・・」
「レベルは?職業とかも決めてるん?」
「えっとそれがよく分からなくて・・・」
「どれ?見てもええ?」
「え!?見れるの!?」
「見れるで」
「それも知らんかったんか」
「空中をタップしてな、ほらこうしたら画面出てきて」
「えっ!?すごい!近くで見せてもらってもいいですか!?」
「あ、あぁ、よかったらどうぞ」
「凄いなにこれ!空中にウィンドウ出てる!!うわー!!細かい!すごい!これはここがレベルですか!?」
「・・・」

 

 

うわぁ
さおちゃん、無意識でめっちゃちか・・・
あれ隣の顔面男固まっちゃったじゃん・・・
自分がお風呂上がりのほかほか女子という自覚はあるんだろうか・・・
いやあるわけないな
さおちゃんだもん・・・

 

 

さおちゃんがマジマジとそいつが出した空中のウィンドウを見ていた。
アタシもさおちゃんもこんなの出ないから凄いなと思った。

 

 

「ここが名前ですよね!?すごい!え、もしやここが職業!?」
「あ、ああ、例えば謙也やったらこれが職業でここがギルド名で」
「えぇ~!こんなの見れちゃうんだ・・・!」
「自分以外のステータスは名前、レベル、ギルド名、職業とか簡単なのしか見れへんけど・・・」
「でもすごいですね!」

 

 

さおちゃんは自分が可愛いということを理解してないな・・・
あんな間近で目をキラキラさせて、男にすごいとか言ったらどんな誤解を生むか全然分かってない・・・

 

 

「なぜこのゲームはアバターがないのだろう・・・あまりにもリアルでおかしすぎる。身バレするだろ、狂ってる」
「けどこうして顔がわかるから見つけられるとかあるやんか!アバターやったら例え兄弟でも気付かへんわ」
「いやアバターないと困るよ、女子は特にね!顔バレこわいし!有名人とか大変じゃない?ゲーム出来なくない?」
「まぁ有名人なら大変やけど、有名人なん利用して強いギルド作っとるやつもおるでたくさん」
「そこがまた不公平じゃん!見た目がコンプレックスの人も沢山いるんだしさ、ちょっとは配慮して欲しいよね。オタクはパリピ怖いだろうし!いじめ助長するだろこれ!」
「課金せなあかんけど見た目変えれるアイテム売っとるらしいで?あと装備で着ぐるみとかお面とか顔隠せるやつ」
「あ、マジで!買おうかなぁ」
「え!?なんで!?必要ないやん、可愛いのに!!」
「は?」
「あっ!ちゃう!!!いや!!!ちゃうねん、そ、そーゆう意味やなくてな!?」
「それだよ」
「え!?」
「可愛いからだよ・・・可愛すぎて困るし・・・ストーカーとか怖いじゃん・・・身バレしたらさ・・・」
「あ、せ、せやな!確かに!可愛い女の子はゲームの中で不特定多数と知り合ったらやばいよな!!」
「そう思う」

 

 

 

なんかさおちゃんと顔面男がステータス覗いて話してるからついつい忍足の従兄弟と話してしまった。

 

(・・・可愛いって言われた)
(まぁ当然か・・・)
(アタシは誰が見ても可愛いもんな・・・)

 

 

いとこなのにこいつは忍足みたいに嫌な奴じゃないなと思いながら

 

 

「えっ!?ウソでしょ!!?」

 

 

と、大声を出したさおちゃんの言葉に顔を向けた。

 

 

「なにさー、大声出して」
「いやだって・・・きみ・・・」
「え、ほんまに昨日ゲーム始めたばかりなん?」
「は?なんなの?」
「いや・・・レベルが・・・」
「なにさ」
「まぁちゃん・・・レベル39だよ?」
「嘘だよ!アタシ1回も戦ってない!」
「え!?どーゆーことなん!?!?」
「1回も戦ってない!?!?」
「さおちゃんは?」
「私はいくつだろ?白石さん見て貰えますか?」
「もちろんや!」
「(え?名前で呼んでるとかなんなの?え?)」
「あ、さおりちゃんはレベル33や!ほんまに昨日から始めたん?俺らもうずっと前からやっとるけどまだレベル同じくらいやで」
「(まって。さおりちゃん???なんでこの男馴れ馴れしくさおりちゃんとか呼んでんの?ユルサン)」
「今日ずっと戦ってたからかなぁ(戦ってたのまぁちゃんのフレンズたちだけど)」
「今日ずっと!?え、一回も戦ってないて言うてなかった?」

「いや・・・そこは気にしなくてもいい・・・とにかく一日中やってたから」

「そーなんや!!そら一日中やっとったら強くなるわ!!」
「てかレベル高いのにギルドにも入ってへんし無職ってどーゆーこっちゃ!」
「ここの街、物価高いやろ?そんな買い込むお金持ってたん!?」
「ここの街物価高いの?」
「基準がわからなくて・・・お金はまだまだ余裕あったので結構自由に使いましたけど」
「え、めっちゃすご!」
「なんや、ほんまにガンガン強くなっとるんやなー!」

 

 

次会う時俺らより強くなってそうやな!と呑気に忍足の従兄弟は笑ってた。
お前らより強くなるぞ、当然だ!

 

 

 

「そういえば私たちログアウトの仕方わからないんですけど教えて貰えませんか?」
「あ、そうなんや!!そこまで初心者やったんか!」
「こうやで!ほら、空中タップするやろ?」
「それ昨日から何回もしてるのにできないの!!」
「えぇ!?」
「メニュー画面開かへんの!?」
「開かないんです・・・」
「せやからステータスも知らんかったんや!!!」
「やばいやん!俺運営に問い合せたるわ!!」
「そうしよ!バグかもしれん!」
「え、どうしよう・・・」
「えっと、さおりちゃんのIDは・・・」
「IDもステータスで見れるんですか?」
「見れる・・・ん、やけど・・・・・・おかしいな?2人にはIDがついてへん」
「ほんまや、書いてへんな」
「あーあ、だからやだったんだよ送り主もわからんこんなゲーム」
「どうしよう・・・」
「と、とりあえず問い合わせよ!!何とかなるかもしれん!」
「せやな!そーしよ!!」
「もう!あんたたちが変なこと言うからさおちゃん不安がっちゃったじゃん!時間もかかった、し・・・」

 

 

あ、やば!
もう3時間経っちゃう・・・!!!
フレンズたち見つかったら倒されちゃうかもしれない!!!!!

 

 

「さおちゃん時間やばい」
「あっ!」
「戻らなきゃ!!!」
「う、うん、とりあえず行こうか!」
「え!もう???」
「なんか急いでるんか?」
「ちょっと私たちを待ってる子達がいて」
「仲間がおったんか!なら安心やな!」
「あ、連絡先、よかったら、」
「さおちゃん!!!早くしないと!!アタシもう行くね!!」
「あ!」
「まぁちゃん待って!すいません!色々教えてくれてありがとうございました!!また!」

 

 

 

くそ~~~~~~
フレンズたちが見つかってたらアイツらのせいだぞ💢💢💢って思ったんだけど
フレンズたち、ひとけのない場所にいるように言ってたから姿は見えてたけど無事にその場でスヤスヤ寝てたよ!!!
よかったよかった!

 

 

 

「おらたちのレベルが上がりまくるくらい戦ってくれてたからみんなのレベルはきっともっと上がってるよね」
「そうだね。みんな見た目も進化してるし結構レベル高いと思うよ」
「何もしてないのに一日で三馬鹿と同じくらいのレベルになって・・・マジで偉いよきみたち・・・次会った時アイツらに自慢するね・・・」
「そこ!?そんなことより今日の寝床探さないとね」
「そうだね!!あそこはどうかな?ここの近くの森の奥にあった洞窟とか・・・」
「あぁ、いいね!ちょっと行ってみようか」
「ピーコが大きくなってフワフワの羽毛全開の素敵な鳥さんになってくれたからピーコに寄り添って寝ればきっととても心地いいはず・・・」
「そうだね、ピーコの羽毛はやばい、普通に触ってもフカフカだから寝心地いいと思う・・・」
「よし、行こう」
「早く行って寝よう」

 

 

 

こうしてあたし達は洞窟をめざした。
いつになったら帰れることやら・・・トホホ・・・

 

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