まぁちゃんが 寝てしまった。
(・・・え、あの人メールしろって自分で言ったくせに無責任すぎるしょ)
(大体白石くんと2人で食事とか、おごってもらうとかよくできるなそんなこと)
(まぁいいけどさ・・・)
とりあえず 財前くんからのメールを見つめる
(なんで避けるんすか、って)
(避けてるわけじゃないんだけど、)
(やっぱ怒ってるのかな・・・)
(確かにあれくらいで避けるとかちょっと失礼だったかな・・・)
そもそも、お酒を飲んでいたんだから酔っぱらっていたのかもしれない。
さらに言ってしまえば 酔っぱらっていたから覚えてないのかもしれない。
そう思うと、 そりゃいきなり避けられたら嫌だよなぁ と気づいた。
「そっか、財前くん、多分覚えてないんだ!」
避けるのは失礼だったなー、てゆうか避けたつもりはないけど
恥ずかしくて顔を見たら逃げてたのは事実だし・・・
ってコトで、
「避けてたわけじゃないんだ、ごめんね!明日から普通にします(>人<)」
絵文字まで入れて送ってみた。これで許してくれるだろうか。
(私もちょっと 大人げなかったかな)
「あれ、」
ピカピカ とすぐにメールが来た。
(早!)
(メール返してくるの早いしょ)
「了解」
財前くんからの、そのたった一言のメールが
なんだか可愛くて ニヤニヤ してしまった。(そして保護までしてしまった)
そして携帯を触りながらニヤニヤしてたものだから
プルッ
一瞬、電話が鳴って
そのまま 通話ボタンを 押してしまっていた。
(あれ!?)
(あれっ!?)
(通話中になってるけど!!)
(え、誰か見てなかった!!)
(財前くんかな?)
(まぁちゃんかな、部屋からよくかけてくるから)
「もしもし?」
何の気なしに電話に出ると
『あ、さおりちゃん?』
「・・・・」
エェェ━━━━━━Σ(±∀±;)━━━━━━ !!!!
し、白石くんじゃないのこの声ーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
(どどどどどど、どうしよ!!)
(ま、まさか電話かかってくるとはっ!!!!)
(どーしたらいいのよまぁちゃん!!!!!)
(まぁちゃん助けて!!!!!)
オロ((o(;□;`)o))オロ
『さおりちゃん?』
「は、はいっ!?」
『あー、今平気やった?』
「は、はい」
『メールありがとうな』
「いえっ」
『いつ行く?』
「えっ!?」
『飯食いに』
「えっ!!?ふ、ふたりで!?」
『あかんかった?』
「い、いえ!いいえ、全然!」
いいんですけど、どーしたらいいのよこの状況!!!!
(なんでそんなに簡単に誘えるの?)
(やっぱし慣れてるのかな)
(こーゆうの慣れてるのかな?)
『ほな、いつが空いとる?』
「え、っと」
『俺は今の時期は割と早よ帰れんねん、月末月初は遅なるけど』
「え、えっと」
『基本的に土日は休みやから、休みでもえぇし』
「え、あの、」
『・・・の前に』
「え?」
『さおりちゃんて彼氏おんの?』
「えぇ!?」
おったら誘えんから と、白石くんは電話の向こうで笑っていた。
(白石くん・・・)
いい人だな、と思った
優しいな、って
そんなこと気にしてくれるんだから やっぱり遊んでる人じゃないのかなって。
(・・・信じよう)
自分と、白石くんを。
「・・・いませんよ」
『え?』
「彼氏、いませんから」
『そか、なら誘ってもOKやな』
「土曜日なら、」
『ん。今週?』
「ハイ」
『ならせっかくやし、遠出しよか?』
車で迎えに行くわ と白石くんは(気のせいじゃなければ嬉しそうに)言った。
(どうしよう・・・)
(土曜日、一緒に出掛ける、って)
(これって、デート?)
(急展開だ・・・)
電話を切ったのに、その余韻で頭の中に白石くんの声が響いていて
その日は 全然眠れなかった。