10月1日。
今日、うお座は 12位だった。
「ギャー、ストッキング電線してる!全滅!さおちゃん新しいの持ってない?」
「新しいのないよ」
「どーしよ!コンビニで買うしかないか・・・それかパンツだね」
「パンツでいーんじゃない?」
「さおちゃん!ちょっと!味噌汁こぼれてるよ!?」
「え!?最悪!!着替えなきゃ!もう時間ないのにー!」
そう、最悪な1日の始まり。
なんせうお座は 最下位だったんだから。
「まぁちゃん、私時間ないからもう行くね!!鍵閉めてよ!」
「パンツのボタンとれてるーー!!あ、いってらっしゃい!」
ドタバタと家を飛び出して
向かうのは駅のホーム
(間に合うかな)
ギリギリ
(間に合え!)
いつもよりも、ギリギリ
(電車!!)
階段を駆け上って リリリリリ と扉の閉まりそうな音がする
(ヤバイ!!)
そして ガチャン と音がして
「あ!ちょっと!待って!」
男の人の声が聞こえた。
でもそんなの構ってるヒマのない私は
扉の閉まる瞬間 満員の電車に、飛び乗ったのだ!
(セーフ!!)
閉まった扉から見えた 男の人
(あ、カッコイイ)
そう思ったのは一瞬で、すぐにギュウと潰された私は 痛い痛い! なんて満員電車に潰されるいつもの朝を過ごすのだ。
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