クロスオーバー61【まなみ】

昨日さおちゃんが泣いて帰って来た時。
うちの家族は ザッ と明らかに空気が変わったが、アタシはさおちゃんを部屋に連れて行って誰にも近づかないように言った。
心配するチビ達にすら 部屋に入らせなかった。

 

 

泣いてるさおちゃんを見れば 全て理解できた。
ちゃんと伝えてえらかったしょ、って言ったけど、泣きながら説明してくれたのはどうやら白石から別れると言ったらしい。
さおちゃんが辛そうだったから、って。
アタシが前に さおちゃんを開放してあげて って言ったあの言葉を実行に移してくれたんだと思うけど
結局こうしてさおちゃんは泣いているから、何が正しかったのか アタシにはわからない。

 

 

 

(・・・アタシも恋愛初心者だしな)

 

 

 

でもこれだけさおちゃんが泣いてるのは 白石を傷つけたからって理由だけじゃない気がする。
いや初心者だからわからないけど。
色々後悔もしてるだろうし 色々思うところもあるんだろう。

 

 

 

 

(・・・そして白石が)
(イイヤツだったことが)
(それが一番 大問題だったんだろう)

 

 

 

 

きっとこれがイヤなやつなら ここまで泣くこともなかっただろうに。

 

 

 

 

 

(・・・白石め)
(さおちゃんを泣かしたのは許さん!!)
(・・・けど)

 

(・・・どうせお前も泣いてんだろ)

 

だからアタシは この件に関してはさおちゃんを励ますに留めておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

その日は さおちゃんはご飯も食べないしお風呂に入ってても泣いてるし
私が近づかないように言ったから ちゃんと男どもはチラっと心配そうにしてたけど姿を現さなかったし
だから寝れば少しよくなるんじゃないかって 一緒にさおちゃんと寝たんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日。
目がぼっこりと腫れてるさおちゃんの代わりに アタシが部活へ行くと宣言して
さおちゃんは家でゆっくりするように伝えた。

 

朝起きると 光忠も歌仙も さおちゃんのために朝からめっちゃ御馳走作ってるし
チビたちはお手紙とか折り紙とか色々持ってきたし
長谷部も庭からお花詰んで来たし
てかみんなすげーさおちゃんに超優しいし・・・

 

さおちゃんがこうして泣いて帰ってくるのなんて
初めてだったから(小さい頃ガクトにいじめられたーとかジロちゃんがーとかそういうのはあったけど)
男子たちも何かを感じ取っているのだろうな・・・
私も昨日は 女って本当に色々あってそんな時は男の顔見たくないから絶対に顔見せないでってキツイこと言っちゃったしね!
相当心配してたんだろうな。

 

 

さおちゃんの代わりに 部活に向かった。
ぶっちゃけさおちゃんの傍にいたいけどさ、さおちゃんボッコリ腫れた目で部活行くって言い張るからな・・・
さおちゃん真面目過ぎるから・・・

しかも今この状態で白石に会ったらヤバいだろ・・・

テニス部も30日まで部活あるとか言ってたもんな・・・

色々考えて今日はチビたちにさおちゃん任せて、代わりに部活行くよ!!!!と宣言したのだ。

 

 

 

てかおら行ってもあんま役に立たんけどな。
でもwwww正直wwwwバスケ部よりバレー部のが遊びに行ってるからwwwwww
さおちゃんもいるし鳥飼コーチもいるし木兎もいるしバレー部最高なんだぜ・・・?
黒尾とスガむかつくけどな!!!!!!
まぁだから大体やってることはわかる。
だから安心しろと言って来たのだ。
じゃないとさおちゃん目が腫れてるのに来(ry

 

 

学校につくと たまたまテニス部のコートを通った。

 

 

 

白石が気になって 目で探してしまった。

 

 

岳人「あれ?まなみ?お前冬休みに学校来てんの珍しくね?」
まー「うるせーお前に関係ねーだろ」
岳人「は?」
まー「は?」
亮「補習か?」
まー「違う」
岳人「何しに来てんだよ💢暇なら帰れよ」
まー「うるせーな、忙しいんだよ💢早くテニスやれよ💢」
岳人「今ストレッチ中だよ💢💢💢」

 

 

はー
もう岳人腹立つしもう行こっと!
ちなみにジロはまだ家で寝てるらしい。

 

くるっと 体育館へ足を向けた。

 

「あ」

 

そこでバッタリ  白石に会ったのだ。

 

 

「よ!」
「あ、えっと、」

 

 

 

白石のやつ、気まずそうにしてやがる。
まぁさおちゃん泣かせたから そうなるだろ💢
当たり前だ!!さおちゃん泣かすな!!!!!

 

 

(・・・というのはさすがに今日は言わんでおいてやろう)

 

 

「おい白石、さおちゃん泣かすな」

 

 

あ、しまった!!!言ってしまった!!!!

 

 

「・・・やっぱ、ずっと泣いとったんや?」
「おう」
「聞いたん?」
「アタシはね」
「・・・せやんな・・・あの、ほんまに泣かしてすいませんでした・・・」
「それアタシに言うことじゃねーだろ」
「え?」
「アタシ、開放してって言ったけど 別れろって言ってないよ」
「・・・」
「さおちゃんには、前みたいに笑顔になってほしかっただけだから」
「・・・」
「あんたが・・・笑わしてくれんなら、それで問題なかったの!!」
「・・・」
「余計泣かせやがって💢」
「・・・すまん」
「・・・ま、これでまた元気に笑えなかったら」
「・・・」
「お前、ちゃんと責任とれよ!!💢💢」

 

 

そう捨て台詞のように言い放って体育館に逃げ込んだから
白石の顔は見てないけど
きっと 彼だって悲しい顔してたはずなんだ。

 

 

・・・まぁ・・・あれだな・・・・・・
また・・・・・・やっちまったな・・・・・・・・
さおちゃん・・・ごめんな・・・・・・・・

 

 

 

そう さおちゃんに申し訳なく思いながら
バレー部の体育館を開けた。
1日中 さおちゃんの心配をしながら、ちゃんと代わりだから真面目に仕事しつつ
木兎とふざけて鳥飼くんにニヤニヤした1日になった・・・(楽しんでしまってさおちゃん、ごめんな・・・!)(早く帰ってさおちゃんとアンジェやろっと)

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