クロスオーバー76【さおり/まなみ】

 

 

 

 

「さおり」

 

 

名前を呼ばれて ドキン! とした。
いや、誰でもどきんとするよ。まぁちゃんも顔がいいからドキドキするって言ってたもん。
大倶利伽羅に名前呼ばれたらドキッとしない女子いなくない???

 

 

「ど、どうしたの?」
「これ」
「え?」

 

 

急にスマホの画面を見せられて、それを私は覗き込んだ。

 

 

「これって・・・」

 

 

ポケモンGO?

そう言って大倶利伽羅の顔を覗き込むと 彼はコクリと頷いた。

 

 

 

圧 倒 的 イ ケ メ ン

 

 

 

大倶利伽羅に言われ、ホイホイとポケモンGOをダウンロードした。
それを見た他の家族もみんなポケモンGOをインストールした。

 

 

我が家に空前のポケGOブームがやってきた・・・!!!!

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

「てかうちにポケストとジムあるの草」
「うちの家族しか回せない幻のポケストップw」
「誰だよ申請したやつwww」
「ボク、知ってますよ」
「僕もです!」
「たまにやらせてもらってましたから・・・」
「え、マジ?誰?」

 

 

 

 

そしてチビッ子三人組はじっと後ろにいた ヤツ を見つめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フフ、お兄さんと楽しいことしたんだよね?・・・ポケモンGOのことだよ」

 

 

にっかりやん・・・!!!!!!!!!
そういえばたまに庭ウロウロしてたわ!!!!!!!!!
なにまさかもうレベル40・・・!!?!?!?
もう勇者の域に達してんじゃん・・・!!!!!!

 

にっかりと分かった瞬間に、レベル40のにっかりのもとにフレンド申請が殺到、
やってたのも知らなかったってみんな驚いてた。
初期からやってたんだってさ・・・
ウケるねにっかり・・・・

 

 

 

 

 

「ねぇ、主さん!昨日イロチのポニータGETしたよ!」
「え、すごい・・・!炎が青い!!キレイ!!(全力)」
「主君、昨日いちにぃのスマホでやってた時、デルビルの色違いも出たんですよ!」
「え・・・!どんな色なの!?」
「絵、描きますね!!!」
「お願い・・・!!(全力)」
「主しゃん、小学生はスマホないからいちにぃたちのスマホでやるの取り合いになっとよ。なんとかできんとね?」
「検討します!!!!!!!!!!(全力)」
「なぁ、さおねぇ、庭の亀の像のジム攻めて来ようぜ!!」
「今何色?」
「今黄色が守り固めてる」
「黄色も勢力伸ばして来たよね・・・師子王とまぁちゃんは手ごわいよ」
「すぐ攻めに来るもんなー!」
「どのポケモンで攻めてどのポケモンで守るか、戦略を練ろう!!!(全力)」
「主~~~あのさぁ、こないだ遠征行ったときに捕まえたポケモンいるから交換しよぉ~」
「交換する!!!!!!(全力)」
「かわいいぽけすとっぷでぎふともらえたからおくるぞ!」
「なにそれ、大事にするうううううう!!!!!!(全力)」

 

 

 

 

もうね、小学生ってゲームとかポケモン好きじゃん???
おじいちゃんたちもハマってんだけど、小学生たちにこうして囲まれてポケGOできる喜びったらないよね・・・
さおちゃんがデレデレすぎて思わず真顔になった。
いちにぃも見てよあのデレデレの顔!!!!!!!!
お兄ちゃんチーム全員デレデレだからね!!!!!!!!!
やべぇなこいつら・・・!!!!!

 

 

 

 

「うーむ・・・あいてむが上限であいてむがうけとれなくて困ってるんだが誰か助けてくれないか?」
「ジイサン!!!!!!」
「だからよ~こないだ教えたじゃねぇか!!!!」
「すぐ忘れちゃうよね三日月さん・・・」
「ジジイ、出来ないくせに流行ってるのやりたがるのやめろよな!」
「あなや」
「まぁちゃん、そういうこと言わない!!たくさん歩くから健康になっていいしょ!今やみんなあんなにめんどくさがってた遠征も行きたがってくれるし!!!」
「それな・・・お前らぽけGOしに遠征行くのやめろよなぁ・・・」
「いいじゃないか!俺の遠征はまだか?」
「鶴丸変なポケストのギフトばっか贈ってくるしなwww」

 

これはこれで楽しんでるから いいのかな・・・って思うけど
庭にポケストあるってもう絶望的だよね。廃人製造機だよ。
うちの庭広いから歩くけどさ、みんな庭ウロウロしてるもんね・・・。
そして遠征に行ったら遠くのポケストも回してくるしな。
パリピメンバーたちもみんなでウェーイしてる。
いや面白いけどさ。
私もハマってるけどさ。
なんなんこれ?
みんなハマりすぎじゃん????

 

 

 

 

 

「全くみんな揃って・・・雅じゃないね!!」

 

 

 

そうだそうだ!!歌仙言ってやれ!!!!

 

 

 

「あ、ラルトスだ。ラルトスは美しいからね・・・」

 

 

 

 

あかーーーん!!!!!!

 

歌仙もやってじゃん!!!これあかんやつや!!!!

 

 

「そう言ってハマってるくせに」

「いや、僕たちは小さい子のためにやってるだけだよ?ね、歌仙くん」

「あぁ、それと健康のために少し歩こうと思ってね」

「そうだね!あ、向こうにリオルがいそうだな・・・ちょっと行ってこようかな?彼はカッコイイからね!」

 

 

 

最後の砦の歌仙が落ちたからもうだめだ。

我が家は滅びる・・・ポケGOしすぎで滅びてしまう・・・

なんなんだ、中毒性あるのかな?いやまぁ楽しいけどさ、わかるけどさ!!?

 

 

 

 

 

 

 

「大変だ!!!30分後、うちの庭にレックウザが出るぞ!!!!」

 

 

 

 

 

 

ザワ・・・!

 

 

 

 

 

家中がザワついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・今回は誰に出陣してもらおうか」
「行きたい!!」
「必ず大将首を取ってきます・・・!」
「乱も行く!!絶対負けないから・・・!」
「俺も行きたか!」
「・・・いや、最近出陣してない・・・・五虎退・・・行けるね?」
「!!! ぼ、ぼくでいいんですか・・・?」
「(コクリ)できるね?」
「で、できます!!」
「五虎退なら大丈夫!!」
「応援してます!」
「がんばってくださいね!!」

 

 

 

「・・・でばんだよ」
「ぼくで・・・いいのか?」
「もちろん。行きたいんだろ?」
「僕のスマホ貸そうか?」
「何なら俺も手助けしようか?」
「だ・・・だいじょうぶだ!!かならず、しょうりをてにするぞ・・・!!」
「その意気だよ!謙信くん!!」
「もう一人前だな・・・」
「りっぱになったな・・・」

 

 

 

「・・・行ってくる」
「おさよ・・・!一人で行くなんて・・・!」
「・・・ひとりじゃない」
「え・・・?」
「一緒に戦う・・・仲間がいるから」
「なんて・・・なんて強く・・・・」
「これも・・・和睦の道です・・・」

 

 

 

 

まってまってまって???

 

ゲームの話だよねこれ??????

 

レイドするだけなのに普段の出陣の時以上のこの感動の別れみたいのなんなの?????

 

 

 

 

確かにスマホ小さい子たちないから大きい人の借りないといけないけどさ・・・・?
レックウザ捕まえるだけでこんななる???
レックウザうちの庭よく出るよね???
そして人数多いからアッサリ倒すよね???
やばくない?うちのこのハマり方・・・!!ヤバくない!?!?

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっし、出陣だー!」
「気分を切り替えないとな……出撃するぞ! オラァ!」
「相手がなんだろうが知ったことか、捕まえればいいんだろ」
「huhuhu…アナタの期待に応えまショウ」
「いざ、出陣だね」
「やあやあ、我こそは源氏の重宝、膝丸なり!」
「そら、戦のはじまりじゃあ!」

さお「みんなと一緒に出陣できるの嬉しい・・・!!私だって活躍しちゃうよ!!」

 

 

 

ザッ

 

 

夕日に照らされた男たちの背中は とても輝いていた。
遠い目でそれを見つめるアタシはこれ以上つっこみきれないから、考えるのをやめた。

 

 

 

 

それから数か月後

 

「大変だ!!!ドラクエウォークが実装されるらしい・・・!!!」

 

ザワ・・・!

ようやく少し落ち着いてきたかと思ったのに、我が家に新たなブームが到来しそうです・・・!!

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